芥川賞あくたがわしょう作家さっか 李り恢成せいさん死去しきょ 89歳さい

自身じしんのルーツをもとに分断ぶんだんされた朝鮮ちょうせん半島はんとうの民族みんぞくの歴史れきしを背景はいけいにした作品さくひんの数々かずかずを手てがけてきた芥川賞あくたがわしょう作家さっかの李り恢成せいさんが今月こんげつ5日にちに亡なくなりました。89歳さいでした。

李り恢成せいさんは、1935年ねんに現在げんざいのロシア、サハリンに生うまれ、終戦しゅうせん後ごは北海道ほっかいどうで少年しょうねん時代じだいを過すごしました。

早稲田わせだ大学だいがくを卒業そつぎょう後ご、「朝鮮ちょうせん新報しんぽう」の記者きしゃなどを経へたあと、1969年ねんに「またふたたびの道みち」で群像ぐんぞう新人しんじん文学ぶんがく賞しょうを受賞じゅしょうし、作家さっかとしてデビューしました。

そして、若わかくして亡なくなった母ははとの幼おさない日ひの体験たいけんを元もとにした「砧きぬたをうつ女おんな」で、1972年ねんに芥川あくたがわ賞しょうを受賞じゅしょうしました。

その後そのごも、自身じしんのルーツをもとに、分断ぶんだんされた朝鮮ちょうせん半島はんとうの民族みんぞくの歴史れきしを背景はいけいにした作品さくひんの数々かずかずを手てがけ、1994年ねんには、終戦しゅうせん後ごの急激きゅうげきな社会しゃかいの変化へんかに翻弄ほんろうされる人ひとたちを描えがいた「百ひゃく年ねんの旅人たびびとたち」で野間のま文芸ぶんげい賞しょうを受賞じゅしょうしました。

李りさんは、自身じしんの体験たいけんを元もとにした長編ちょうへん「地上ちじょう生活せいかつ者しゃ」の第だい6部ぶを2020年ねんに刊行かんこうするなど、80歳さいをこえても執筆しっぴつ活動かつどうを続つづけていましたが、遺族いぞくなどによりますと、昨年さくねん末まつに体調たいちょうを崩くずして都内とないの病院びょういんに入院にゅういんし、1月つき5日にちに誤あやまえん性せい肺炎はいえんのため亡なくなったということです。

89歳さいでした。

ソース：NHK ニュース