日本にっぽん郵便ゆうびん 顧客こきゃく情報じょうほう不正ふせいリスト化か 約やく155万まん人にんか

日本にっぽん郵便ゆうびんが全国ぜんこくの郵便ゆうびん局きょくでゆうちょ銀行ぎんこうの顧客こきゃく情報じょうほうを事前じぜんに同意どういを得えないまま、保険ほけんの勧誘かんゆうなどに流用りゅうようしていた問題もんだいで、日本にっぽん郵政ゆうせいグループは2014年ねん以降いこうのデータ履歴りれきを確認かくにんした結果けっか、銀行ぎんこうの顧客こきゃく情報じょうほうを不正ふせいに検索けんさくしてリスト化かしたと推定すいていされる顧客こきゃくの人数にんずうがおよそ155万まん人にん確認かくにんされたと発表はっぴょうしました。

この問題もんだいは、日本にっぽん郵便ゆうびんが全国ぜんこくの郵便ゆうびん局きょくで事前じぜんに顧客こきゃくの同意どういを得えないまま、グループのゆうちょ銀行ぎんこうの貯金ちょきん残高ざんだかなどの顧客こきゃく情報じょうほうをもとに、イベントの集客しゅうきゃくリストを作成さくせいし、かんぽ生命せいめいの保険ほけんの勧誘かんゆうにも流用りゅうようしていたもので、日本にっぽん郵政ゆうせいグループは法令ほうれいに違反いはんする行為こういだとして調査ちょうさを進すすめてきました。

発表はっぴょうによりますと、今いまの顧客こきゃくシステムが導入どうにゅうされた2014年ねん以降いこうのデータ履歴りれきを確認かくにんした結果けっか、郵便ゆうびん局きょくで銀行ぎんこうの顧客こきゃく情報じょうほうを不正ふせいに検索けんさくしてリスト化かしたと推定すいていされる顧客こきゃくの人数にんずうがおよそ155万まん人にん確認かくにんされたとしています。

さらに、こうした不正ふせいはシステム導入どうにゅう前まえの2007年ねんの民営みんえい化か以降いこう起おきていたと考かんがえられるということです。

こうしたことから、グループは再発さいはつ防止ぼうし策さくも公表こうひょうし、10月つき17日にちから郵便ゆうびん局きょくでゆうちょ銀行ぎんこうの貯金ちょきん残高ざんだかなどの顧客こきゃく情報じょうほうを検索けんさくできなくするようシステムを改修かいしゅうするほか、グループ全体ぜんたいで顧客こきゃくから情報じょうほうの活用かつように同意どういを得える取り組とりくみを進すすめ、同意どういを得えた顧客こきゃく情報じょうほうを郵便ゆうびん局きょくで参照さんしょうできるシステムを整備せいびするとしています。

また、不正ふせいが全国ぜんこくで広ひろがっていたことを踏ふまえ、職員しょくいんの法令ほうれい順守じゅんしゅの研修けんしゅうも強化きょうかする方針ほうしんで、再発さいはつ防止ぼうしを徹底てっていできるかが問とわれることになります。

日本にっぽん郵便ゆうびん 社長しゃちょう「心こころよりおわびする」

日本にっぽん郵便ゆうびんの千田せんだ哲也てつや社長しゃちょうは11日にち午後ごご、都内とないで記者きしゃ会見かいけんし「日頃ひごろから郵便ゆうびん局きょくを利用りようしているお客様おきゃくさまに不安ふあんな思おもいやご心配しんぱいをおかけし、心こころよりおわびする。正ただしいプロセスの取り扱とりあつかいルールを浸透しんとうさせ、実行じっこうする体制たいせいを構築こうちくできていなかったことが原因げんいんで、その責任せきにんを経営けいえいトップとして大変たいへん重おもく受け止うけとめている」と陳謝ちんしゃしました。

その上うえで、法令ほうれい違反いはんだと認識にんしきしたのは9月つきだったと明あきらかにし「恥はずかしい話はなしだがこれではだめだということで対応たいおうした」と述のべました。

そして、ゆうちょ銀行ぎんこうの顧客こきゃく情報じょうほうが保険ほけんの勧誘かんゆうなどに使つかわれたかどうか、追加ついかの調査ちょうさを行おこなうとしたうえで「結果けっかを踏ふまえて今後こんご、役員やくいんなどの責任せきにんを明確めいかく化かする」と述のべました。

日本にっぽん郵政ゆうせいグループ 過去かこにも不正ふせいや不適切ふてきせつな行為こうい

日本にっぽん郵政ゆうせいグループでは、過去かこにも不正ふせいや不適切ふてきせつな行為こういが明あきらかになっています。

かんぽ生命せいめいの保険ほけんをめぐって、二に重じゅう払はらいといった顧客こきゃくに不ふ利益りえきになるような法律ほうりつに違反いはんする販売はんばいが明あきらかになり、金融きんゆう庁ちょうと総務そうむ省しょうがかんぽ生命せいめいと日本にっぽん郵便ゆうびんに対にたいして保険ほけん販売はんばいの業務ぎょうむを2020年ねん1月つきから3か月かげつ間かん、停止ていしするよう命めいじる行政ぎょうせい処分しょぶんを出だしました。

これを受うけて、当時とうじの日本にっぽん郵政ゆうせいの長門ながと正ただし貢みつぎ社長しゃちょうらグループ3社しゃのトップが経営けいえい責任せきにんを取とる形かたちで辞任じにんしました。

また一部いちぶの郵便ゆうびん局長きょくちょうが会社かいしゃの経費けいひで購入こうにゅうしたカレンダーを国会こっかい議員ぎいんの後援こうえん者しゃなどに配くばっていたことが明あきらかになり、2021年ねんに総務そうむ省しょうが日本にっぽん郵便ゆうびんに対にたいし再発さいはつ防止ぼうし策さくの策定さくていなどを求もとめる行政ぎょうせい指導しどうを行おこないました。

その後そのごも一部いちぶの郵便ゆうびん局長きょくちょうが顧客こきゃくの個人こじん情報じょうほうを政治せいじ活動かつどうに流用りゅうようするなど不祥事ふしょうじが相次あいつぎ、2022年ねんには総務そうむ省しょうが日本にっぽん郵政ゆうせいグループに平時へいじから法令ほうれい順守じゅんしゅの報告ほうこくを求もとめることなどを盛り込もりこんだ報告ほうこく書しょをとりまとめています。

ソース：NHK ニュース