地方ちほう公務員こうむいん遺族いぞく年金ねんきんの男女だんじょ差さ 最高裁さいこうさいが合憲ごうけんと判断はんだん

地方ちほう公務員こうむいんの遺族いぞくが年金ねんきんを受け取うけとれる条件じょうけんに男女だんじょで差さがあるのは憲法けんぽうに違反いはんするとして、教師きょうしだった妻つまを亡なくした夫おっとが起おこした裁判さいばんで、最高さいこう裁判所さいばんしょは「男女だんじょ間かんの賃金ちんぎんの格差かくさなどを考慮こうりょすると法律ほうりつの規定きていには合理ごうり性せいがある」として、憲法けんぽうに違反いはんしないという初はじめての判断はんだんを示しめしました。

地方ちほう公務員こうむいんが公務こうむで亡なくなった際さいに支給しきゅうされる遺族いぞく補償ほしょう年金ねんきんは、法律ほうりつの規定きていで、夫おっとが亡なくなった場合ばあいは妻つまの年齢ねんれいに関係かんけいなく支給しきゅうされる一方いっぽうで、妻つまが亡なくなった場合ばあいはその時点じてんで夫おっとが５ご５ご歳さい以上いじょうでなければ支給しきゅうされません。

大阪おおさか・堺さかい市しの７なな０ぜろ歳さいの男性だんせいは、５ご１いち歳さいのときに中学校ちゅうがっこうの教師きょうしだった妻つまを亡なくしましたが、法律ほうりつの規定きていによって遺族いぞく補償ほしょう年金ねんきんが支給しきゅうされず、「法ほうの下したの平等びょうどうを定さだめた憲法けんぽうに違反いはんする」として、取り消とりけしを求もとめる裁判さいばんを起おこしました。
１いち審しんの大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょが「憲法けんぽうに違反いはんする」と判断はんだんしたのに対にたいして、２に審しんの大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは憲法けんぽうには違反いはんしないと判断はんだんし、男性だんせいが上告じょうこくしていました。

２に１いち日にちの判決はんけつで、最高さいこう裁判所さいばんしょ第だい３さん小しょう法廷ほうていの山崎やまざき敏さとし充たかし裁判さいばん長ちょうは「男女だんじょ間かんで労働ろうどう力りょく人口じんこうの割合わりあいが違ちがっていることや、平均へいきん的てきな賃金ちんぎんに格差かくさがあることなどを考慮こうりょすると、法律ほうりつの規定きていには合理ごうり性せいがある」として、憲法けんぽうに違反いはんしないという初はじめての判断はんだんを示しめし、男性だんせいの上告じょうこくを退しりぞけました。

原告げんこく「非常ひじょうに残念ざんねん」

最高さいこう裁判所さいばんしょの判決はんけつについて、原告げんこくの男性だんせいは「生活せいかつの実態じったいを一切いっさい見みずに、性別せいべつの違ちがいだけで年金ねんきんを支給しきゅうしないのは、憲法けんぽうの禁きんじる性せい差別さべつです。最高さいこう裁判所さいばんしょが認みとめる判決はんけつを出だしたのは非常ひじょうに残念ざんねんです」と述のべました。一方いっぽうで、裁判さいばんを起おこしたことについては、「表ひょうに出でることがなかった深刻しんこくな性せい差別さべつを訴うったえたことについては意義いぎがあったと思おもいます」と振り返ふりかえりました。

また、男性だんせいの代理人だいりにんの松丸まつまる正ただし弁護士べんごしは「共働ともばたらきの家庭かていが増ふえているにもかかわらず、女性じょせいが独力どくりょくで生計せいけいを立たてるのは困難こんなんだというレッテルを貼はった判決はんけつで、非常ひじょうに残念ざんねんだ。国会こっかいでもこの問題もんだいについて議論ぎろんしていただきたい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース