トランプ大統領だいとうりょう 温暖おんだん化か対策たいさく見直みなおしの大統領だいとうりょう令れいに署名しょめい

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは、オバマ前ぜん政権せいけんが進すすめてきた地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくを全面ぜんめん的てきに見直みなおすための大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし、世界せかい第だい２に位いの温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ国こくであるアメリカの温暖おんだん化か対策たいさくが大おおきく後退こうたいするものと見みられます。

トランプ大統領だいとうりょうは２に８はち日にち、オバマ前ぜん政権せいけんが進すすめてきた地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくを全面ぜんめん的てきに見直みなおすための大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいしました。

大統領だいとうりょう令れいでは、国内こくないのエネルギー生産せいさんを妨さまたげるすべての環境かんきょう規制きせいや政策せいさくを見直みなおすよう関係かんけい省庁しょうちょうに求もとめています。見直みなおしの対象たいしょうにはオバマ前ぜん大統領だいとうりょうが温暖おんだん化か対策たいさくの柱はしらとしておととし打ち出うちだした火力かりょく発電はつでん所しょからの二に酸化さんか炭素たんその排出はいしゅつを規制きせいする「クリーン・パワー・プラン」も含ふくまれています。

また、大統領だいとうりょう令れいではオバマ前ぜん政権せいけんが禁止きんしした国有こくゆう地ちでの石炭せきたんの採掘さいくつについて規制きせいを廃止はいしするとしています。トランプ大統領だいとうりょうは「この大統領だいとうりょう令れいは、雇用こようを失うしなわせる規制きせいを撤廃てっぱいする歴史れきし的てきな措置そちだ」と述のべました。

トランプ大統領だいとうりょうは選挙せんきょ戦せんでは、地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくの国際こくさい的てきな枠組わくぐみ「パリ協定きょうてい」から脱退だったいすると主張しゅちょうしてきましたが、政権せいけん内ないでは脱退だったいをめぐって意見いけんが分わかれていると伝つたえられていて、ホワイトハウスの高官こうかんは記者きしゃ団だんに対にたいして「協定きょうていから脱退だったいするかどうかは協議きょうぎ中ちゅうだ」と述のべました。

しかし、今回こんかいの大統領だいとうりょう令れいによって世界せかい第だい２に位いの温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ国こくであるアメリカの温暖おんだん化か対策たいさくは大おおきく後退こうたいすると見みられ、パリ協定きょうていの目標もくひょうの達成たっせいに影響えいきょうするおそれもあります。

パリ協定きょうていは去年きょねん１１月じゅういちがつに発効はっこう

パリ協定きょうていは、地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくの国際こくさい的てきな枠組わくぐみで、２に０ぜろ５ご０ぜろ年ねん以降いこうに世界せかいの温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうを実質じっしつ的てきにゼロにすることを目標もくひょうに掲かかげています。

おととし１２月じゅうにがつに、フランスのパリで開ひらかれた国際こくさい会議かいぎ、「ＣＯＰ２に１いち」で採択さいたくされ、その後そのご、去年きょねん９月くがつ、世界せかい２に位いの排出はいしゅつ国こくのアメリカが世界せかい１いち位いの排出はいしゅつ国こくの中国ちゅうごくとそろって締結ていけつを発表はっぴょうしたことで、各国かっこくが次々つぎつぎに締結ていけつし、去年きょねん１１月じゅういちがつに発効はっこうしました。

パリ協定きょうていでは、発展はってん途上とじょう国こくを含ふくむすべての国くにが温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげん目標もくひょうを国連こくれんに提出ていしゅつし、温暖おんだん化か対策たいさくに取り組とりくむことを定さだめていて、アメリカは、２に０ぜろ２に５ご年ねんまでに温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうを２に０ぜろ０ぜろ５ご年ねんに比くらべて２に６ろく％から２に８はち％削減さくげんするとしているほか、日本にっぽんは、２に０ぜろ３さん０ぜろ年ねんまでに２に０ぜろ１いち３さん年ねんと比くらべて２に６ろく％排出はいしゅつ量りょうを削減さくげんする目標もくひょうを掲かかげています。

協定きょうていでは、この削減さくげん目標もくひょうを各国かっこくが５ご年ねんごとに更新こうしんしさらなる削減さくげんを行おこなうことや、長期ちょうき的てきな戦略せんりゃくを策定さくていすることを求もとめていますが、専門せんもん家かなどからは、今回こんかいの大統領だいとうりょう令れいでアメリカ国内こくないの温暖おんだん化か対策たいさくが後退こうたいし、世界せかい全体ぜんたいの温暖おんだん化か対策たいさくに遅おくれが出でるのではないかと懸念けねんする声こえが出でています。

専門せんもん家か 世界せかいの温暖おんだん化か対策たいさくの後退こうたいを懸念けねん

今回こんかいの大統領だいとうりょう令れいの署名しょめいについて、アメリカの環境かんきょう政策せいさくに詳くわしい電力でんりょく中央ちゅうおう研究所けんきゅうじょの上野うえの貴弘たかひろ主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「大統領だいとうりょう令れいに盛り込もりこまれた規制きせいの見直みなおしには、手続てつづきが必要ひつようだったり、訴訟そしょうが起おこさたりして一定いっていの時間じかんがかかると見みられる。しかし、その間そのかんは政府せいふの環境かんきょう政策せいさくの方針ほうしんが定さだまらないため、温暖おんだん化か対策たいさくが遅おくれ、これまでアメリカが掲かかげてきた温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげん目標もくひょうが達成たっせいできなくなるおそれがある」と話はなしています。

そして、「これまでアメリカは、オバマ前ぜん政権せいけんが中国ちゅうごくに働はたらきかけたりしてパリ協定きょうていを発効はっこうに導みちびくなど、世界せかいの温暖おんだん化か対策たいさくを引っ張ひっぱってきた。しかし、今回こんかいの大統領だいとうりょう令れいで、そのけん引けんいん役やくがいなくなるおそれがある」と述のべ、世界せかいの温暖おんだん化か対策たいさくが後退こうたいするという懸念けねんを示しめしました。

そのうえで、「パリ協定きょうていでは、各国かっこくがそれぞれ独自どくじに温暖おんだん化か対策たいさくの目標もくひょうを決きめて取り組とりくむことになっているので、日本にっぽんはいま掲かかげている目標もくひょうに向むかって引き続ひきつづき努力どりょくする姿勢しせいが求もとめられる」と述のべ、日本にっぽんはアメリカの環境かんきょう政策せいさくの転換てんかんに影響えいきょうされることなく取り組とりくみを進すすめるべきだと指摘してきしています。

ソース：NHK ニュース