米べいがＩＴなど専門せんもん技能ぎのう持もつ外国がいこく人じんへのビザ優先ゆうせん制度せいど停止ていし

ＩＴなどの分野ぶんやで専門せんもん的てきな技能ぎのうを持もつ外国がいこく人じんの就労しゅうろうビザについて、アメリカ政府せいふは、優先ゆうせん的てきに審査しんさする制度せいどを３さん日にちから停止ていしすることになり、ＩＴ企業きぎょうからは優秀ゆうしゅうな人材じんざいの確保かくほが難むずかしくなるとして反発はんぱつが広ひろがっています。

「Ｈえいち１いちーＢび-」と呼よばれるアメリカのビザは、専門せんもん的てきな知識ちしきや技術ぎじゅつをもつ外国がいこく人じんの就労しゅうろうを認みとめるもので、通常つうじょうは審査しんさに数すうか月かげつかかりますが、日本にっぽん円えんでおよそ１いち４よん万まん円えん支払しはらえば２に週間しゅうかん程度ていどで済すむ制度せいどがあり、多おおくのＩＴ企業きぎょうが利用りようしてきました。

アメリカの移民いみん局きょくは３さん日にちから、この優先ゆうせん制度せいどを最大さいだいで６ろくか月かげつ間かん停止ていしすることになり、その理由りゆうについて申請しんせいが増ふえ続つづけ、審査しんさが追おいつかなくなったためと説明せつめいしています。

しかし、トランプ大統領だいとうりょうはＩあいＴてぃ-企業きぎょうを念頭ねんとうにインド人じんなどが比較的ひかくてき安やすい賃金ちんぎんで働はたらきアメリカ人じんの雇用こようを奪うばっていると訴うったえてきただけに、今回こんかいの措置そちは、外国がいこく人じんよりもアメリカ人じんの雇用こようを優先ゆうせんすることが狙ねらいだと指摘してきされています。

カリフォルニア州しゅうのシリコンバレーでは先月せんげつ、ＩＴ企業きぎょうの関係かんけい者しゃおよそ１いち０ぜろ０ぜろ０ぜろ人にんが参加さんかして抗議こうぎ集会しゅうかいを開ひらき、トランプ政権せいけんの排他はいた的てきな政策せいさくによってアメリカ企業きぎょうの競争きょうそう力りょくが失うしなわれると訴うったえました。

集会しゅうかいを主催しゅさいしたＩＴ技術ぎじゅつ者しゃのブラッド・テイラーさんは「優秀ゆうしゅうな外国がいこく人じんを雇用こようできなければほかの国くにに奪うばわれ、シリコンバレーの競争きょうそう力りょくが失うしなわれてしまう」と話はなし、危機きき感かんをあらわにしていました。

カナダはビザ発給はっきゅう迅速じんそく化かの動うごき

一方いっぽう、隣国りんごくのカナダでは、アメリカで働はたらく外国がいこく人じんＩあいＴてぃ-技術ぎじゅつ者しゃを引き抜ひきぬくチャンスだとして、ビザの発給はっきゅう手続てつづきを迅速じんそく化かするなど攻せめの姿勢しせいを鮮明せんめいにしています。

カナダ政府せいふは先月せんげつ、ＩＴ関連かんれんなど需要じゅようが高たかい分野ぶんやで世界せかいの優秀ゆうしゅうな人材じんざいを呼び込よびこむために手続てつづきを迅速じんそく化かしようと、２に週間しゅうかんでビザを審査しんさする制度せいどをことし６月ろくがつから開始かいしすると発表はっぴょうしました。

シリコンバレーから飛行機ひこうきで２に時間じかんほどの距離きょりにあるカナダ西部せいぶバンクーバーには、アメリカより低ひくい法人ほうじん税率ぜいりつや研究けんきゅう開発かいはつにかかる税金ぜいきんの優遇ゆうぐう措置そちを求もとめてマイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど多おおくのＩＴ企業きぎょうが拠点きょてんを設もうけています。

バンクーバー経済けいざい委員いいん会かいによりますと、現在げんざいＩあいＴてぃ-企業きぎょうで働はたらく人ひとはおよそ１いち０ぜろ万まん人にんですが、２に０ぜろ２に０ぜろ年ねんまでに３さん５ご％増ふえると予想よそうしています。

バンクーバー経済けいざい委員いいん会かいのイアン・マッケイ委員いいん長ちょうは「外国がいこく人じんの雇用こようをめぐってアメリカで起おきている問題もんだいは、われわれにとって高度こうどな人材じんざいを獲得かくとくするまたとないチャンスです。物価ぶっかがシリコンバレーより安やすく住環境じゅうかんきょうが優すぐれたカナダでのビジネスの誘致ゆうちを積極せっきょく的てきに進すすめています」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース