世界せかい遺産いさんの橋野はしの鉄てつ鉱山こうざん 台風たいふう被害ひがい調査ちょうさで新しん発見はっけんか 岩手いわて 釜石かまいし

岩手いわて県けん釜石かまいし市しにある世界せかい遺産いさん「橋野はしの鉄てつ鉱山こうざん」について、市しが去年きょねん８月はちがつの台風たいふうによる被害ひがいの調査ちょうさを行おこなったところ、これまで文献ぶんけんでしか存在そんざいが分わからなかった炉ろの一部いちぶと見みられる部品ぶひんが見みつかりました。この炉ろは貨幣かへいの製造せいぞうなどに使つかわれていたということで、専門せんもん家かはさらに発掘はっくつを進すすめれば鉱山こうざんの全体ぜんたい像ぞうの解明かいめいにつながる可能かのう性せいがあると話はなしています。

岩手いわて県けん釜石かまいし市しの橋野はしの鉄てつ鉱山こうざんは鉄鉱てっこう石せきを採掘さいくつして運搬うんぱんした遺跡いせきのほか、江戸えど時代じだい末期まっきに造つくられた鉄てつを取り出とりだすための西洋せいよう式しきの高炉こうろの跡あとがあり、日本にっぽんの近代きんだい製鉄せいてつのさきがけの地ちとして、おととし、世界せかい遺産いさんに登録とうろくされました。

市しの世界せかい遺産いさん室しつによりますと、去年きょねん８月はちがつの台風たいふう１いち０ぜろ号ごうによる被害ひがいの調査ちょうさを行おこなったところ、これまで文献ぶんけんでしか存在そんざいが分わからなかった貨幣かへいの製造せいぞうなど鉄てつの加工かこうに使用しようされた炉ろの一部いちぶと見みられる部品ぶひんが地中ちちゅうから見みつかったということです。

見みつかったのは土どを焼やいて作つくった長ながさ１いち０ぜろセンチほどの管状かんじょうの部品ぶひんで、世界せかい遺産いさん室しつは「羽はね口ぐち」と呼よばれる炉ろに風かぜを送り込おくりこむ装置そうちの一部いちぶと見みています。

世界せかい遺産いさんに関にかんする国くにの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎの委員いいんで岩手いわて大学だいがくの小野寺おのでら英輝ひでき准じゅん教授きょうじゅは「今いまも跡あとが残のこる高炉こうろ以外いがいにも炉ろがあった証拠しょうこであり、本格ほんかく的てきな発掘はっくつを行おこなえば橋野はしの鉄てつ鉱山こうざんの全体ぜんたい像ぞうの解明かいめいにつながると期待きたいできる」と話はなしています。

釜石かまいし市しは来月らいげつ中ちゅうにも文化ぶんか庁ちょうに発掘はっくつの調査ちょうさを申請しんせいし、詳くわしい調査ちょうさを始はじめたいとしています。

ソース：NHK ニュース