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韓国大統領選 投票始まる
2017-05-08 21:05:47

韓国の大統領選挙は、パク・クネ(朴槿恵)前大統領が一連の事件で罷免されたことを受けて7か月前倒しして実施されるもので、投票は、9日午前6時からおよそ1万4000か所の投票所で始まりました。
今回の選挙では、パク前大統領の罷免で混乱した国政をどのようにして立て直すのかが主な争点となりました。また、核やミサイルの開発を続ける北朝鮮にどう対応するのかも争点で、主な候補のうち、革新系の最大政党「共に民主党」のムン・ジェイン(文在寅)候補は対話の重要性を強調しています。また、中道系の「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)候補はいまは制裁を強化すべきだと主張しているほか、保守系の旧与党「自由韓国党」のホン・ジュンピョ(洪準杓)候補はより強硬な姿勢を示しています。
韓国にどのような政権が誕生するかは日本をはじめ東アジア情勢に影響するだけに、韓国の有権者の選択に注目が集まっています。韓国大統領選挙は午後8時まで投票が行われた後、即日開票され、9日夜遅くには勝敗が判明する見通しです。
今回の選挙では、パク前大統領の罷免で混乱した国政をどのようにして立て直すのかが主な争点となりました。また、核やミサイルの開発を続ける北朝鮮にどう対応するのかも争点で、主な候補のうち、革新系の最大政党「共に民主党」のムン・ジェイン(文在寅)候補は対話の重要性を強調しています。また、中道系の「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)候補はいまは制裁を強化すべきだと主張しているほか、保守系の旧与党「自由韓国党」のホン・ジュンピョ(洪準杓)候補はより強硬な姿勢を示しています。
韓国にどのような政権が誕生するかは日本をはじめ東アジア情勢に影響するだけに、韓国の有権者の選択に注目が集まっています。韓国大統領選挙は午後8時まで投票が行われた後、即日開票され、9日夜遅くには勝敗が判明する見通しです。
ムン・ジェイン候補
革新系の最大政党「共に民主党」のムン・ジェイン氏は64歳。韓国南部コジェ(巨済)島の貧しい家庭の出身で、学生時代は民主化運動に深く関わりました。その後、弁護士になり、のちに大統領となる弁護士のノ・ムヒョン(盧武鉉)氏と共同事務所を立ち上げ、以後、長年にわたってノ氏を支えます。
ノ氏が2003年に大統領に就任すると、ムン氏は大統領の最側近にあたる秘書室長などを務めました。ノ元大統領が退任後、不正資金疑惑の渦中で自殺したあと、ムン氏は元大統領の遺志を継ぐ形で2012年に国会議員となりました。そして、その年に行われた前回の大統領選挙では革新系の最大野党の公認候補となり、庶民派のイメージを打ち出して格差を是正するために財閥への規制を強めることなどを訴えましたが、接戦の末にパク・クネ氏に敗れました。ムン氏はその後も「共に民主党」の代表などを務め、今回、再び大統領選挙に挑戦することを決めました。
ムン氏は、北朝鮮に融和的だったノ・ムヒョン政権の立場を継承していて、「韓国の大統領が北を主要な敵だと考えるのは妥当ではない」と述べ、南北対話の必要性を強調しています。また、「パク・クネ前大統領とイ・ミョンバク(李明博)元大統領の時は安全保障に無能な政権で、北の核を兵器にまでさせ、長距離弾道ミサイルに搭載できるくらいにまで高度化させた」として過去9年間の保守政権による政策は失敗だったと批判しました。
アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を韓国に配備することについては、新しい政権が判断すべきだという立場です。
一方、日本に対しては厳しい発言が目立ち、選挙公約では、慰安婦問題をめぐる日本との合意に関しては、「再交渉などを通じて、国民的な同意と被害者たちが受け入れられる水準の合意を導き出す」としています。
また、安全保障上の機密情報を共有・保護するための協定=GSOMIAに関しては、「国益に資するかどうかを検討したあと、締結を延長するかどうか決める」としています。
ノ氏が2003年に大統領に就任すると、ムン氏は大統領の最側近にあたる秘書室長などを務めました。ノ元大統領が退任後、不正資金疑惑の渦中で自殺したあと、ムン氏は元大統領の遺志を継ぐ形で2012年に国会議員となりました。そして、その年に行われた前回の大統領選挙では革新系の最大野党の公認候補となり、庶民派のイメージを打ち出して格差を是正するために財閥への規制を強めることなどを訴えましたが、接戦の末にパク・クネ氏に敗れました。ムン氏はその後も「共に民主党」の代表などを務め、今回、再び大統領選挙に挑戦することを決めました。
ムン氏は、北朝鮮に融和的だったノ・ムヒョン政権の立場を継承していて、「韓国の大統領が北を主要な敵だと考えるのは妥当ではない」と述べ、南北対話の必要性を強調しています。また、「パク・クネ前大統領とイ・ミョンバク(李明博)元大統領の時は安全保障に無能な政権で、北の核を兵器にまでさせ、長距離弾道ミサイルに搭載できるくらいにまで高度化させた」として過去9年間の保守政権による政策は失敗だったと批判しました。
アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を韓国に配備することについては、新しい政権が判断すべきだという立場です。
一方、日本に対しては厳しい発言が目立ち、選挙公約では、慰安婦問題をめぐる日本との合意に関しては、「再交渉などを通じて、国民的な同意と被害者たちが受け入れられる水準の合意を導き出す」としています。
また、安全保障上の機密情報を共有・保護するための協定=GSOMIAに関しては、「国益に資するかどうかを検討したあと、締結を延長するかどうか決める」としています。
アン・チョルス候補
中道系の政党「国民の党」のアン・チョルス候補は、南部プサン(釜山)生まれの55歳。名門ソウル大学の医学部を卒業したあと、大学院在学中に、医学の研究をしながらコンピューターウイルスの対策ソフトを開発し、その後、IT企業を立ち上げて成功を収めたほか、大学の教授を務めるなど多彩な経歴の持ち主です。
また、福祉団体を設立して100億円にのぼる資産を寄付したことから、「韓国のビル・ゲイツ」とも呼ばれるようになりました。
前回、5年前の大統領選挙では、無所属で立候補し、若者や無党派層の支持を集めましたが、当時、与党の候補だったパク・クネ氏に対抗するため、みずから立候補を取り下げ、最大野党の候補だったムン・ジェイン氏の支持に回りました。
翌年、アン氏は国会議員の補欠選挙に立候補して無所属で初当選を果たし、ムン氏と同じ最大野党に加わったあと、去年2月には、新党の「国民の党」を発足させて4か月間にわたり共同代表を務めました。
アン氏は、北朝鮮に対しては米韓同盟に基づき制裁を優先すべきだとする立場で「北は強固な安全保障を主張する私を恐れている。キム・ジョンウン(金正恩)政権に警告する。核を捨てろ、挑発をやめろ」などと発言し、一貫して厳しい姿勢を示しています。
また、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」については、予定どおり韓国への配備が完了されなければならないとしています。
経済面では、ベンチャー企業や中小企業に対して融資などの支援を行い、技術革新や新たな産業の創出を後押しするなどして、雇用対策に力を入れるとしています。
一方、日本との関係では、公約の中で、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、「『対日政策諮問団』を設置し、慰安婦問題で再交渉」と盛り込んでいます。ただ、アン氏は、先月行われた討論会で「両国は、1998年に当時のキム・デジュン(金大中)大統領と小渕総理大臣との間で結ばれた『パートナーシップ宣言』の精神に立ち戻るべきだ」とも述べていて、日本との良好な関係が重要だとも指摘しています。
また、福祉団体を設立して100億円にのぼる資産を寄付したことから、「韓国のビル・ゲイツ」とも呼ばれるようになりました。
前回、5年前の大統領選挙では、無所属で立候補し、若者や無党派層の支持を集めましたが、当時、与党の候補だったパク・クネ氏に対抗するため、みずから立候補を取り下げ、最大野党の候補だったムン・ジェイン氏の支持に回りました。
翌年、アン氏は国会議員の補欠選挙に立候補して無所属で初当選を果たし、ムン氏と同じ最大野党に加わったあと、去年2月には、新党の「国民の党」を発足させて4か月間にわたり共同代表を務めました。
アン氏は、北朝鮮に対しては米韓同盟に基づき制裁を優先すべきだとする立場で「北は強固な安全保障を主張する私を恐れている。キム・ジョンウン(金正恩)政権に警告する。核を捨てろ、挑発をやめろ」などと発言し、一貫して厳しい姿勢を示しています。
また、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」については、予定どおり韓国への配備が完了されなければならないとしています。
経済面では、ベンチャー企業や中小企業に対して融資などの支援を行い、技術革新や新たな産業の創出を後押しするなどして、雇用対策に力を入れるとしています。
一方、日本との関係では、公約の中で、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、「『対日政策諮問団』を設置し、慰安婦問題で再交渉」と盛り込んでいます。ただ、アン氏は、先月行われた討論会で「両国は、1998年に当時のキム・デジュン(金大中)大統領と小渕総理大臣との間で結ばれた『パートナーシップ宣言』の精神に立ち戻るべきだ」とも述べていて、日本との良好な関係が重要だとも指摘しています。
ホン・ジュンピョ候補
保守系の旧与党「自由韓国党」のホン・ジュンピョ候補は南東部キョンサン(慶尚)南道チャンニョン(昌寧)生まれの62歳。「自由韓国党」は、パク・クネ前大統領を支えてきた旧与党「セヌリ党」からことし2月に党名を変更しました。
ホン氏は、コリョ(高麗)大学を卒業したあと、司法試験に合格して検事になりました。1996年に、国会議員選挙に初当選して4期務め、2011年には、セヌリ党の前身の「ハンナラ党」の代表に選ばれました。2012年から先月まではキョンサン南道の知事を務め、南東部に多い保守層の有権者を中心に一定の支持を集めました。
北朝鮮に対して強硬姿勢をとるホン氏は、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の配備に賛成の立場を明確にしています。
核兵器の開発を進める北朝鮮への対応をめぐっては、アメリカ軍の核戦力を朝鮮半島に配備するための協議を始めるべきだとしていて、「外交ではなく、力によって北の核の除去を押し進める」と述べています。
慰安婦問題をめぐるおととしの日韓合意については、ホン氏は公約で一切触れていません。ただ、ホン氏は7日、元慰安婦の女性と面会し、「慰安婦問題は日本が反省をしなければならない。合意したのは正しくない」と述べています。
一方、ホン氏は、建設会社の会長から賄賂を受け取り、政治資金法に違反したとして、おととし、在宅のまま起訴されました。
1審では懲役1年6か月の実刑判決が言い渡されましたが、2審では無罪判決を受け、検察が上告したことから、現在も最高裁判所で争っています。
ホン氏は、コリョ(高麗)大学を卒業したあと、司法試験に合格して検事になりました。1996年に、国会議員選挙に初当選して4期務め、2011年には、セヌリ党の前身の「ハンナラ党」の代表に選ばれました。2012年から先月まではキョンサン南道の知事を務め、南東部に多い保守層の有権者を中心に一定の支持を集めました。
北朝鮮に対して強硬姿勢をとるホン氏は、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の配備に賛成の立場を明確にしています。
核兵器の開発を進める北朝鮮への対応をめぐっては、アメリカ軍の核戦力を朝鮮半島に配備するための協議を始めるべきだとしていて、「外交ではなく、力によって北の核の除去を押し進める」と述べています。
慰安婦問題をめぐるおととしの日韓合意については、ホン氏は公約で一切触れていません。ただ、ホン氏は7日、元慰安婦の女性と面会し、「慰安婦問題は日本が反省をしなければならない。合意したのは正しくない」と述べています。
一方、ホン氏は、建設会社の会長から賄賂を受け取り、政治資金法に違反したとして、おととし、在宅のまま起訴されました。
1審では懲役1年6か月の実刑判決が言い渡されましたが、2審では無罪判決を受け、検察が上告したことから、現在も最高裁判所で争っています。
22日間の選挙戦は
事前の世論調査で一貫して支持率でリードを保ったのは、革新系のムン・ジェイン候補です。罷免されたパク・クネ前大統領に対する国民の怒りや失望感を追い風にして、幅広い世代から支持を得ました。今月1日の街頭演説では、「腐敗した既得権益の勢力は反省せず、私の政権交代を恐れ連帯して、政権を延長しようとしている。政権交代で大きな変化をもたらし、新しい韓国を作る」と述べ、9年ぶりの政権交代を訴えました。また、ムン氏は、ノ・ムヒョン元大統領の最側近として政権運営に携わった経験をアピールし、「大統領になるために最も準備ができている候補だ」と繰り返し主張しました。
そのムン氏を追ったのは、中道系の「国民の党」のアン・チョルス候補です。アン氏は、韓国で長年続く保守と革新の対立を乗り越える必要があると訴えました。演説では、「大統領が弾劾され、拘束されるや否や、再び革新と保守に分かれて対立している」と述べ、政治的なイデオロギーで攻撃しあう候補たちを批判しました。医師、IT企業経営者、そして大学教授など、異色の経歴を持つアン氏であれば新しいタイプの大統領になるのではないかと無党派層などから期待を集め、一時はムン氏に支持率で3ポイント差まで迫りました。ただ、テレビ討論会で、ほかの候補からの批判をうまくかわせず、評価が下がったことも一因となり、終盤にかけては再びムン氏に支持率で差を広げられました。
選挙戦の後半で急浮上したのは、保守系のホン・ジュンピョ候補でした。ホン氏は、パク前大統領を支えた旧与党の「自由韓国党」に所属し、6年前、イ・ミョンバク政権の時には、党の代表を務めた経験もあります。当初、ホン氏を支持していたのは、パク前大統領の罷免に不満を募らせている一部の保守層に留まっていましたが、今月2日には、パク前大統領の弾劾に賛成して旧与党を離れた国会議員10人余りがホン氏を支持する意向を表明し、保守勢力を結集する形でムン氏に迫っています。さらに、アメリカと北朝鮮の間で緊張が高まったことも追い風になりました。北朝鮮に融和的なムン氏に対し、ホン氏は、北朝鮮に対抗するためにはアメリカ軍の核戦力を朝鮮半島に配備する必要があるなどと北朝鮮に強硬な姿勢を強調し、保守層からの支持を広げました。歯にきぬ着せぬ発言も人気を呼び、「外交ではなく、力によって北の核の除去を押し進める。騒いでいる北を抑えられるのは私しかいない」などとアピールしました。
22日間にわたった選挙戦。革新系の支持層を固め、安定して高い支持率を維持したムン氏に対し、保守層や無党派層からの支持を広げたアン氏とホン氏が追いかける展開となりました。
そのムン氏を追ったのは、中道系の「国民の党」のアン・チョルス候補です。アン氏は、韓国で長年続く保守と革新の対立を乗り越える必要があると訴えました。演説では、「大統領が弾劾され、拘束されるや否や、再び革新と保守に分かれて対立している」と述べ、政治的なイデオロギーで攻撃しあう候補たちを批判しました。医師、IT企業経営者、そして大学教授など、異色の経歴を持つアン氏であれば新しいタイプの大統領になるのではないかと無党派層などから期待を集め、一時はムン氏に支持率で3ポイント差まで迫りました。ただ、テレビ討論会で、ほかの候補からの批判をうまくかわせず、評価が下がったことも一因となり、終盤にかけては再びムン氏に支持率で差を広げられました。
選挙戦の後半で急浮上したのは、保守系のホン・ジュンピョ候補でした。ホン氏は、パク前大統領を支えた旧与党の「自由韓国党」に所属し、6年前、イ・ミョンバク政権の時には、党の代表を務めた経験もあります。当初、ホン氏を支持していたのは、パク前大統領の罷免に不満を募らせている一部の保守層に留まっていましたが、今月2日には、パク前大統領の弾劾に賛成して旧与党を離れた国会議員10人余りがホン氏を支持する意向を表明し、保守勢力を結集する形でムン氏に迫っています。さらに、アメリカと北朝鮮の間で緊張が高まったことも追い風になりました。北朝鮮に融和的なムン氏に対し、ホン氏は、北朝鮮に対抗するためにはアメリカ軍の核戦力を朝鮮半島に配備する必要があるなどと北朝鮮に強硬な姿勢を強調し、保守層からの支持を広げました。歯にきぬ着せぬ発言も人気を呼び、「外交ではなく、力によって北の核の除去を押し進める。騒いでいる北を抑えられるのは私しかいない」などとアピールしました。
22日間にわたった選挙戦。革新系の支持層を固め、安定して高い支持率を維持したムン氏に対し、保守層や無党派層からの支持を広げたアン氏とホン氏が追いかける展開となりました。
投票率の行方は
今回の大統領選挙は、パク・クネ前大統領の罷免を受けて前倒しで行われることから国民の関心は高く、投票率が高くなるのではないかと見られています。加えて今回は大統領選挙としては初めて、本人を証明するものを示せば全国どこでも投票日の前に投票できる「事前投票」が行われ、今月4日と5日の2日間に投票を済ませた人は、有権者全体のおよそ26%にあたる1100万人余りにのぼりました。さらに投票時間も今回は午後8時までと前回より2時間延長されることから、韓国メディアは、投票率は、前回5年前の75.84%を超えて、20年ぶりに80%台に達するのではないかという見方を伝えています。
各候補の対日政策は
日本との関係については、主な候補はいずれも、慰安婦問題に関するおととし12月の日韓両政府の合意に批判的な立場を打ち出しています。
革新系のムン・ジェイン候補は公約の中で、日韓合意について、「再交渉などを通じて国民的な同意と被害者たちが受け入れられる水準の合意を追求する」としています。また、中道系のアン・チョルス候補も公約に、「『対日政策諮問団』を設置し、慰安婦問題で再交渉」と盛り込んでいます。保守系のホン・ジュンピョ候補は、公約で日韓合意に触れていませんが、7日、元慰安婦の女性と面会し、「慰安婦問題は日本が反省をしなければならない。合意したのは正しくない」と述べています。
また、安全保障上の機密情報を共有・保護するための協定=GSOMIAについては、ムン氏が、「国益に資するかどうかを検討したあと、締結を延長するかどうか決める」と慎重な構えなのに対し、アン氏は、「韓国の安全保障や国益にとって重要だ」としているほか、ホン氏も肯定的に評価しています。
このほかにも、ムン氏は去年7月に島根県の竹島に上陸するなど、日本を刺激する言動が目立ちます。戦時中に日本に徴用されて過酷な労働を強いられた「徴用工」を象徴する石像をソウルの日本大使館の前に設置することを計画している市民団体は、選挙でムン氏を支持すると表明しました。一方、アン氏は、かつて九州大学に短期留学をしたことがあり、公約には、「1998年の『パートナーシップ宣言』の精神に基づく両国関係の構築」を盛り込み、関係改善を目指す姿勢をより明確に示しています。また、ホン氏は、南東部キョンサン南道の知事を務めていた際、日韓両国の地方都市どうしが経済や教育などの分野でより一層、交流を深めるべきだという考えを明らかにしています。
革新系のムン・ジェイン候補は公約の中で、日韓合意について、「再交渉などを通じて国民的な同意と被害者たちが受け入れられる水準の合意を追求する」としています。また、中道系のアン・チョルス候補も公約に、「『対日政策諮問団』を設置し、慰安婦問題で再交渉」と盛り込んでいます。保守系のホン・ジュンピョ候補は、公約で日韓合意に触れていませんが、7日、元慰安婦の女性と面会し、「慰安婦問題は日本が反省をしなければならない。合意したのは正しくない」と述べています。
また、安全保障上の機密情報を共有・保護するための協定=GSOMIAについては、ムン氏が、「国益に資するかどうかを検討したあと、締結を延長するかどうか決める」と慎重な構えなのに対し、アン氏は、「韓国の安全保障や国益にとって重要だ」としているほか、ホン氏も肯定的に評価しています。
このほかにも、ムン氏は去年7月に島根県の竹島に上陸するなど、日本を刺激する言動が目立ちます。戦時中に日本に徴用されて過酷な労働を強いられた「徴用工」を象徴する石像をソウルの日本大使館の前に設置することを計画している市民団体は、選挙でムン氏を支持すると表明しました。一方、アン氏は、かつて九州大学に短期留学をしたことがあり、公約には、「1998年の『パートナーシップ宣言』の精神に基づく両国関係の構築」を盛り込み、関係改善を目指す姿勢をより明確に示しています。また、ホン氏は、南東部キョンサン南道の知事を務めていた際、日韓両国の地方都市どうしが経済や教育などの分野でより一層、交流を深めるべきだという考えを明らかにしています。
各候補の対北朝鮮政策は
北朝鮮政策をめぐっては、各候補の主張に違いがあります。
まず、北朝鮮への融和的な姿勢が明確なのが革新系のムン・ジェイン候補です。選挙運動期間中のテレビ討論会では、「南北関係を平和に、ともに繁栄する関係に大転換させる」と述べ、核問題の解決を最優先としながらも、南北で共同運営していたケソン(開城)工業団地の操業や北朝鮮南東部の景勝地、クムガン(金剛)山の観光事業の再開に意欲を示しました。また、「アメリカとの同盟は重視するが、朝鮮半島の問題は韓国が主導すべきだ」と述べ、現在の韓国の安全保障政策はアメリカに依存しすぎているという認識を示しています。
これに対して、アメリカとの同盟を重視し、北朝鮮には厳しく対応すべきだと主張するのが、中道系のアン・チョルス候補です。アメリカの最新迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国配備をめぐり、国内では根強い反対がありますが、アン氏はテレビ討論会で、「韓国は深刻な安全保障の危機にある」と述べ、予定どおり韓国への配備を完了させなければならないと明言しました。また、アン氏は、「今は北に対して制裁を強化すべき局面だ」とも発言し、同盟国のアメリカと連携して北朝鮮に厳しく対応し、中国に対しても制裁の履行を徹底するよう求めるとしています。ただ、アン氏が所属する「国民の党」はもともと北朝鮮に融和的な議員が主流で、アン氏も、「制裁を強化したあとには、交渉の局面が来る」と述べ、将来的には北朝鮮との対話はありえるとしています。
一方、北朝鮮に最も厳しい姿勢をとっているのが、保守系のホン・ジュンピョ候補です。核兵器の開発を進める北朝鮮への対応をめぐっては、アメリカ軍の核戦力を朝鮮半島に配備する必要があると主張し、「外交ではなく力によって北の核の除去を押し進める」と述べ、強硬な姿勢を打ち出しています。また、ムン氏が意欲を示すケソン工業団地の操業再開は、北朝鮮による核やミサイルの開発の資金を与えるだけだと厳しく批判しています。
まず、北朝鮮への融和的な姿勢が明確なのが革新系のムン・ジェイン候補です。選挙運動期間中のテレビ討論会では、「南北関係を平和に、ともに繁栄する関係に大転換させる」と述べ、核問題の解決を最優先としながらも、南北で共同運営していたケソン(開城)工業団地の操業や北朝鮮南東部の景勝地、クムガン(金剛)山の観光事業の再開に意欲を示しました。また、「アメリカとの同盟は重視するが、朝鮮半島の問題は韓国が主導すべきだ」と述べ、現在の韓国の安全保障政策はアメリカに依存しすぎているという認識を示しています。
これに対して、アメリカとの同盟を重視し、北朝鮮には厳しく対応すべきだと主張するのが、中道系のアン・チョルス候補です。アメリカの最新迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国配備をめぐり、国内では根強い反対がありますが、アン氏はテレビ討論会で、「韓国は深刻な安全保障の危機にある」と述べ、予定どおり韓国への配備を完了させなければならないと明言しました。また、アン氏は、「今は北に対して制裁を強化すべき局面だ」とも発言し、同盟国のアメリカと連携して北朝鮮に厳しく対応し、中国に対しても制裁の履行を徹底するよう求めるとしています。ただ、アン氏が所属する「国民の党」はもともと北朝鮮に融和的な議員が主流で、アン氏も、「制裁を強化したあとには、交渉の局面が来る」と述べ、将来的には北朝鮮との対話はありえるとしています。
一方、北朝鮮に最も厳しい姿勢をとっているのが、保守系のホン・ジュンピョ候補です。核兵器の開発を進める北朝鮮への対応をめぐっては、アメリカ軍の核戦力を朝鮮半島に配備する必要があると主張し、「外交ではなく力によって北の核の除去を押し進める」と述べ、強硬な姿勢を打ち出しています。また、ムン氏が意欲を示すケソン工業団地の操業再開は、北朝鮮による核やミサイルの開発の資金を与えるだけだと厳しく批判しています。
ソース:NHK ニュース