Hiện Furigana
令状なしGPS捜査 一部無罪に “司法の審査を軽視”
2017-05-30 03:50:14

裁判所の令状なしに車にGPS端末を取り付けられた被告が、捜査は違法だと訴えた裁判で、東京地方裁判所は、「警察官の行動には司法による審査を軽視する態度が見てとれ、違法の程度は重大だ」として一部無罪の判決を言い渡しました。
平成25年から26年にかけて全国で相次いだ自動車の窃盗事件では、警視庁が裁判所の令状を取らずに容疑者グループの車にGPS端末を取り付ける捜査を行い、48歳の被告が逮捕・起訴されました。
逮捕の際に覚醒剤も見つかりましたが、被告は「GPS捜査は違法だ」として覚醒剤などを裁判の証拠として認めないよう求めていました。
30日の判決で東京地方裁判所の島田一裁判長は、「今回のGPS捜査は1年9か月にわたって行われ、精度もそれなりに高く、プライバシーを大きく侵害するものだった。組織全体で秘密の保持を徹底するなど警察官の行動には司法による審査を軽視する態度が見てとれ、違法の程度は重大だ」と指摘しました。
また、逮捕の際に警察官がいきなり拳銃を向けた行為も違法だとして、捜査で得られた証拠の一部を認めず、覚醒剤取締法違反などの罪について無罪を言い渡しました。一方、窃盗の一部の罪については有罪と認定し、懲役4年を言い渡しました。
GPS捜査を巡っては、ことし3月、最高裁判所大法廷が、裁判所の令状がなければ違法だという初めての判断を示して新たな法律の整備を求めたため、警察庁はGPS捜査を控えるよう全国の警察に指示しています。
最高裁の判決後、GPS捜査について争われた裁判で判決が言い渡されたのは初めてと見られます。
逮捕の際に覚醒剤も見つかりましたが、被告は「GPS捜査は違法だ」として覚醒剤などを裁判の証拠として認めないよう求めていました。
30日の判決で東京地方裁判所の島田一裁判長は、「今回のGPS捜査は1年9か月にわたって行われ、精度もそれなりに高く、プライバシーを大きく侵害するものだった。組織全体で秘密の保持を徹底するなど警察官の行動には司法による審査を軽視する態度が見てとれ、違法の程度は重大だ」と指摘しました。
また、逮捕の際に警察官がいきなり拳銃を向けた行為も違法だとして、捜査で得られた証拠の一部を認めず、覚醒剤取締法違反などの罪について無罪を言い渡しました。一方、窃盗の一部の罪については有罪と認定し、懲役4年を言い渡しました。
GPS捜査を巡っては、ことし3月、最高裁判所大法廷が、裁判所の令状がなければ違法だという初めての判断を示して新たな法律の整備を求めたため、警察庁はGPS捜査を控えるよう全国の警察に指示しています。
最高裁の判決後、GPS捜査について争われた裁判で判決が言い渡されたのは初めてと見られます。
弁護士「画期的な判決」
判決のあと、被告の弁護を担当した坂根真也弁護士は「最高裁の判決の趣旨に従った判断で、われわれの主張が認められた。GPS捜査をめぐる裁判で、証拠が認められなかったことが無罪という判断に直接的に結びついたのは初めてと見られ、画期的だ」と話していました。
警視庁「真摯に受け止め」
判決でGPS捜査が「違法の程度は重大だ」と指摘されたことについて、警視庁は「真摯(しんし)に受け止めています」とコメントしています。また、逮捕の際に警察官がいきなり拳銃を向けた行為も違法だとされたことについては、「判決の内容を精査したうえで今後の対応を検討します」としています。
東京地検「判決内容検討し適切に対処」
最高裁も違法と判断
GPS端末を使った捜査をめぐっては、ことし3月に最高裁判所大法廷が、裁判所の令状がなければ違法だという判断を示しています。
この裁判では、GPS端末を使った捜査が、令状が必要な「強制捜査」か、令状を取らずに行える「任意捜査」かが争われました。1審の大阪地方裁判所は、「プラバイシーが大きく侵害されるため強制捜査に当たり、令状なしで行ったのは重大な違法がある」として、関連する捜査の記録などを裁判の証拠にしませんでした。
一方、2審の大阪高等裁判所は、強制捜査に当たるかどうかについて判断せず、「重大な違法はない」として弁護側の主張を退けていました。
ことし3月の判決で最高裁判所大法廷は、「本人の意思に反して私的な領域に侵入されないという、憲法が保障する重要な権利を侵害するもので、強制捜査にあたる」と指摘し、令状がなければ違法だという初めての判断を示しました。
そのうえで、GPS端末を使った捜査に関連する証拠を採用しなかった1審の判決は妥当だとして、今後もGPS端末を使う場合は、新たな法律を整備するよう求めました。この判決を受けて警察庁は、GPS端末を使った捜査を今後控えるよう、全国の警察本部に指示していて、警察は捜査手法の見直しを迫られています。
この裁判では、GPS端末を使った捜査が、令状が必要な「強制捜査」か、令状を取らずに行える「任意捜査」かが争われました。1審の大阪地方裁判所は、「プラバイシーが大きく侵害されるため強制捜査に当たり、令状なしで行ったのは重大な違法がある」として、関連する捜査の記録などを裁判の証拠にしませんでした。
一方、2審の大阪高等裁判所は、強制捜査に当たるかどうかについて判断せず、「重大な違法はない」として弁護側の主張を退けていました。
ことし3月の判決で最高裁判所大法廷は、「本人の意思に反して私的な領域に侵入されないという、憲法が保障する重要な権利を侵害するもので、強制捜査にあたる」と指摘し、令状がなければ違法だという初めての判断を示しました。
そのうえで、GPS端末を使った捜査に関連する証拠を採用しなかった1審の判決は妥当だとして、今後もGPS端末を使う場合は、新たな法律を整備するよう求めました。この判決を受けて警察庁は、GPS端末を使った捜査を今後控えるよう、全国の警察本部に指示していて、警察は捜査手法の見直しを迫られています。
ソース:NHK ニュース