都市としのゲリラ豪雨ごううは排ガスはいがすなどの大気たいき汚染おせん物質ぶっしつが影響えいきょうか

東京とうきょうの上空じょうくうで発生はっせいする雲くもは世界せかいの平均へいきんと比くらべて水みずの粒つぶが小ちいさく、積乱雲せきらんうんが発達はったつしやすいことが、東京とうきょうスカイツリーでの観測かんそくで分わかりました。排ガスはいがすなどの大気たいき汚染おせん物質ぶっしつが影響えいきょうしていると見みられ、研究けんきゅうチームでは、いわゆるゲリラ豪雨ごううのメカニズムの解明かいめいにもつながるとしています。

防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょは、東京とうきょう・墨田すみだ区くにある東京とうきょうスカイツリーの上部じょうぶ、高たかさ４よん５ご８はちメートルの場所ばしょに観測かんそく施設しせつを設もうけ、上空じょうくうで発生はっせいする雲くものデータを集あつめています。

その結果けっか、観測かんそくを始はじめた去年きょねん６月ろくがつから１２月じゅうにがつ末まつまでの半年はんとし間かんに観測かんそくされた雲くもに含ふくまれる水みずの粒つぶの直径ちょっけいは、平均へいきんでおよそ７なな．３さんマイクロメートルでした。

雲くもに含ふくまれる水みずの粒つぶの大おおきさは世界せかいの陸地りくちの平均へいきんでおよそ８はち．２にマイクロメートルとされるのに対にたいし、東京とうきょうの雲くもはこれより１いち割わり余あまり小ちいさくなっていました。

上空じょうくうで水みずの粒つぶができるためには何なんらかの微粒子びりゅうしが核かくになる必要ひつようがありますが、研究けんきゅうグループでは、都市としの上空じょうくうには排ガスはいがすなどの大気たいき汚染おせん物質ぶっしつの微粒子びりゅうしが大量たいりょうに漂ただよっていて、それぞれが核かくとなって空気くうき中ちゅうの水分すいぶんを奪い合うばいあうため、１ひとつ１ひとつの粒つぶが小ちいさくなっていると見みています。

水みずの粒つぶが小ちいさくなると上昇じょうしょう気流きりゅうに乗のりやすくなり、その結果けっか、雲くもの中なかに大量たいりょうの水分すいぶんが蓄たくわえられて積乱雲せきらんうんが発達はったつしやすくなると考かんがえられています。

このため研究けんきゅうグループは、都市とし部ぶでの局地きょくち的てきな大雨おおあめ、いわゆるゲリラ豪雨ごううについても、大気たいき汚染おせん物質ぶっしつが拍車はくしゃをかけているおそれがあるとしています。

雲くもの定点ていてん観測かんそくは、山頂さんちょうなどでは行おこなわれていますが、都市とし上空じょうくうでの観測かんそくは世界せかいでも例れいがないということで、防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょの三隅みすみ良平りょうへいさんは、「大気たいき中ちゅうに含ふくまれる微粒子びりゅうしが雨あめの降ふり方かたに影響えいきょうを及およぼしていることが考かんがえられる。都市とし部ぶで起おこる激はげしい雨あめの正確せいかくな予測よそくに向むけて観測かんそくを続つづけていきたい」と話はなしています。

局地きょくち的てきな大雨おおあめの回数かいすう 全国ぜんこく的てきに増ふえる傾向けいこう

局地きょくち的てきな大雨おおあめの回数かいすうは全国ぜんこく的てきに増ふえる傾向けいこうにあります。

気象庁きしょうちょうが去年きょねんまでの４よん０ぜろ年間ねんかんに観測かんそくされた全国ぜんこくのアメダスのデータを分析ぶんせきしたところ、１いち時間じかんに５ご０ぜろミリ以上いじょうの非常ひじょうに激はげしい雨あめが降ふった回数かいすうは、この１いち０ぜろ年間ねんかんは平均へいきんで年間ねんかんおよそ２に３さん０ぜろ回かいでした。

これは、４よん０ぜろ年ねん前まえからの１いち０ぜろ年間ねんかんの平均へいきんと比較ひかくすると１いち．３さん倍ばい余あまりとなっています。

さらに、１いち時間じかんに８はち０ぜろミリ以上いじょうの猛烈もうれつな雨あめの回数かいすうは、この１いち０ぜろ年間ねんかんの平均へいきんで年間ねんかんおよそ１いち８はち回かいと、１いち．６ろく倍ばい余あまりに増ふえています。

ソース：NHK ニュース