台風7号 18日の被災地 災害復旧に向けた動きも
2023-08-18 07:01:30

被災地の18日の動きをまとめました。
鳥取 三朝町 被害があった温泉旅館で後片づけ
鳥取県三朝町の三朝温泉の旅館では、台風7号の大雨で川が増水した影響で、川沿いにある露天風呂に土砂が流れ込む被害が出て後片づけの作業に追われています。
三朝町の三朝温泉にある旅館「大橋」では、台風7号の大雨で三徳川が増水した影響で、川沿いにある露天風呂に土砂が流れ込み、板でできた壁が壊されるなどの被害が出ました。旅館は、17日から19日にかけて3日間、営業を休止して後片づけの作業に追われています。
暑さが続く中、旅館の従業員およそ10人が露天風呂に流れ込んだ土砂や木をスコップを使って取り除いていました。この旅館では、台風7号の接近に伴うキャンセルに加え、3日間の休業で25件以上の予約を断り、売り上げで200万円以上の影響が出ているということです。
旅館は20日から営業を再開する予定だということですが、露天風呂の復旧のめどは立っておらず、当面は旅館の別の風呂を利用してもらうことにしています。
旅館「大橋」の大橋一枝社長は「2年前に大雨が降ったときも少し土砂が入り込みましたが、物が壊れたりするのは初めてでした。台風の翌朝、様子を見たときは、ことばが出なくて涙が出ました。温泉を目当てに訪れる人も多いので、少しでも早く復旧できるようにしたいです」と話していました。
鳥取市佐治町 断水に加え一時停電の発生も
鳥取市佐治町では、3つの地区167戸で18日も断水が続いているほか、午前中には、一時、停電も発生しました。
中国電力によりますと、18日、送電設備にトラブルがあり、午前10時半ごろからおよそ50分間、佐治町内のおよそ1140戸が停電しました。
このうち、断水が続く高山地区で家族3人で暮らす上田久美子さん(87)の自宅では、一時、停電で部屋の明かりやテレビをつけることができなくなりました。
上田さんは「山の上で住んでいると不自由なことはいっぱい起きるので大きな悩みはないですが、水と電気が使えないのが一番困ります」と話していました。
鳥取市佐治町 国交省の緊急災害対策派遣隊が被害状況を調査
記録的な大雨による道路や河川への被害の状況を把握しようと、国土交通省の緊急災害対策派遣隊=TECーFORCEが大きな被害の出た鳥取市佐治町で調査を行いました。
国土交通省中国地方整備局は、TECーFORCEを16日から鳥取市に派遣して、被害の調査にあたっています。
18日は隊員2人が、車の前後と左側面の3つの方向にカメラを設置した車を運転し、鳥取市佐治町の佐治川に崩落した国道や市道をふさぐように倒れている大型のアンテナの様子などを映像に収めていました。
また、佐治川にかかる橋が一部崩落している場所では、隊員たちは車を降りて、手に持ったカメラで橋脚に絡まっている流木の様子などを撮影していました。
TECーFORCEは8月24日にかけて調査を行う予定で、調査の結果は鳥取市と共有され、今後の復旧工事に役立てられるということです。
TECーFORCEの服部浩弥班長は「被害が予想以上に大きく、橋の崩れ方を見ても水の勢いが強かったことが分かります。被害の把握を進めて少しでも早い復旧につなげたい」と話していました。
兵庫 香美町 災害ボランティアの活動始まる
住宅などの浸水被害が出た兵庫県香美町では、復旧作業の支援にあたる災害ボランティアの活動が18日から始まりました。
香美町香住区では、台風7号による大雨の影響で矢田川などから水があふれ、30棟を超える住宅が床上や床下の浸水被害を受けました。
町の社会福祉協議会は18日から災害ボランティアの受け入れを始め、町内や近くの地域からおよそ20人が集まりました。
熱中症対策として休憩や水分を十分とりながら作業するよう説明を受けたあと、被害が大きかった間室地区に向かいました。そして、お年寄りの住宅などで水につかった畳を運び出したり、泥で汚れた床板を掃除したりしていました。
高齢の母親と2人で住む60代の男性は、「片づけをできるのが自分しかいないので、大変助かります」と話していました。
ボランティアに参加した60代の女性は、「被害がこんなに大きいとは思っていませんでした。少しでも役に立てればと思います」と話していました。
社会福祉協議会は、19日まで但馬地域に住む人などを対象にボランティアを募集し、20日まで活動してもらうことにしています。町の社会福祉協議会の門野貴裕さんは、「ボランティアが入って作業がはかどっています。困っていることがあれば遠慮なく声をかけてほしい」と話していました。