Luyện đọc
Hiện Furigana

えんやすから一転いってん!“投機とうきすじ”はどこに?【経済けいざいコラム】

2022-08-05 08:54:09

avatar
ジェットコースターのようにはげしく振幅しんぷく繰り返くりかええん相場そうば。7つき14にちに1ドル=139えんだいと24ねんぶりのえんやす水準すいじゅんとなったのもつかの間つかのま一転いってんしてえんわれる展開てんかいとなり、その後そのごの3週間しゅうかんで9えんちかえんだかドルやすすすという異常いじょう事態じたいに。8つき2にちには1ドル=130えんだいをつけました。マーケット関係かんけいしゃからは、「ちょっとしたパニック状態じょうたい」「どちら方向ほうこううごのかだれもわからない」とのなげぶしも。7つき中旬ちゅうじゅんにかけて加速かそくしたえんやす相場そうばそして7つき下旬げじゅんから8つき上旬じょうじゅん相場そうば急変きゅうへん局面きょくめん市場しじょううごかしたのはだれだったのか、取材しゅざいしました。(経済けいざい記者きしゃ 篠田しのだあや

投機とうきすじ”って何者なにもの

まず、振り返ふりかえのは7つき中旬ちゅうじゅんにかけて加速かそくしたえんやすドルだかなが

いったいだれ主導しゅどうしたのか。マーケット関係かんけいしゃおおくちにしたのは「投機とうきすじ」のうごです。

為替かわせ急激きゅうげき変動へんどうするさいによく投機とうきすじ」ということば。短期たんき取り引とりひ繰り返くりかえして利益りえきようとする投資とうしというような意味いみですが、この10か月かげつマーケット取材しゅざいしてもどこそんな投資とうしがいるのかわからないままでした。

正体しょうたい不明ふめいの「投機とうきすじ」を追い求おいもとめて、まずはそのうごをつかむデータがないか、為替かわせディーラーなどいてみました。

プロ参考さんこうにする「IMM通貨つうか先物さきもの

プロも参考さんこうにしているデータとして紹介しょうかいしてくれたのがCME=シカゴ・マーカンタイル取引とりひきしょ取り引とりひされている「IMM通貨つうか先物さきもの」のポジションだか)です。

CFTC=アメリカ商品しょうひん先物さきもの取引とりひき委員いいんかいがこの「IMM通貨つうか先物さきもの」について、かく取引とりひきしょに「ポジション」と「いポジション」の公表こうひょう義務ぎむづけ、集計しゅうけいしたデータ毎週まいしゅう公表こうひょうしています。

このうちの「ノン・コマーシャル」(商業しょうぎょう)の部門ぶもんいわゆる投機とうきすじのポジションだとされています。

えん上昇じょうしょうすると予想よそうする投資とうしは「」のポジション積み上つみあげ、ぎゃくえん下落げらくするとみれば、「り」のポジションをおおくします。このように売り買うりかどちらおおかで投機とうきすじの“”をさぐことができます。

投機とうきすじ”は一貫いっかんしてえんポジション積み上つみあ

「IMM通貨つうか先物さきものポジション」のグラフをみると、ドルえん先物さきもの取引とりひきえん去年きょねん3つき以降いこう一貫いっかんして。(「ポジション」が「いポジション」よりおお
そしてアメリカのFRBが0.75%の大幅おおはば利上りあ踏み切ふみきったことし6つき中旬ちゅうじゅん以降いこうは、えんだけでなく、ユーロ、ポンド、オーストラリアドルのいずれとなっています。「投機とうきすじ」は、ドルに対にたいする主要しゅよう通貨つうかの「り」ポジション積み上つみあげていたわけです。

これについてマーケット関係かんけいしゃは、「投機とうきすじは、アメリカ当面とうめん金融きんゆう引き締ひきしつづけ、これにともなってしばらくほとんど通貨つうかに対にたいしてドルだかつづとみていた」と解説かいせつします。

一転いってんしてえんだかドルやす方向ほうこう

ところが投機とうきすじ」のシナリオ暗雲あんうんれこめる事態じたいが。
アメリカのFRBが7つき27にちまでの会合かいごうで、0.75%の大幅おおはば利上りあめましたが、パウエル議長ぎちょう会見かいけんで、「利上りあげのペースをゆるめることが適切てきせつなる可能かのうせいがある」と発言はつげん

市場しじょうでは、急速きゅうそく利上りあによって、アメリカ経済けいざい景気けいき後退こうたいおちいのではないかという懸念けねんつよまりました。

さらに28にち、アメリカのことし4つきから6つきまでのGDP=国内こくないそう生産せいさんりつが2連続れんぞくマイナスに。

「テクニカルリセッション」ということばが市場しじょうめぐりました。

29にち東京とうきょう外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは、アメリカ経済けいざい先行さきゆへの懸念けねん一気いっきつよまり、えん相場そうばは3えん以上いじょう値上ねあがり

8つき2にちには、アメリカのペロシ下院かいん議長ぎちょう台湾たいわん訪問ほうもんするとつたわったことで、べいちゅう対立たいりつへの警戒けいかいかんから、えん相場そうばは1ドル=130えんだいまでおおきく値上ねあがりしました。

えんポジションどうなったのか

このときに「IMM通貨つうか先物さきもの」の売り買うりかのポジションがどうなったのか。

このコラム執筆しっぴつにはえんだかドルやす方向ほうこうてんじたときのポジションデータまだ公表こうひょうされていないので、投機とうきすじがどううごいたのかさだなことはわかりません。

結局けっきょく、7つき下旬げじゅん為替かわせ市場しじょうながわった局面きょくめんだれがマーケットをうごかしたのかはからずじまいですが、その直前ちょくぜんまで、投機とうきすじおおえんポジションつづけていたのは事実じじつで、この投資とうしスタンスがわったのかどうかが焦点しょうてんとなります。

三菱みつびしUFJ銀行ぎんこう平松ひらまつまこともとアナリストは、「アメリカ大幅おおはば利上りあつづ予想よそうしていた投機とうきすじうご調整ちょうせいされ、えんだかドルやす加速かそくさせたのではないか。ファンダメンタルズだけでは説明せつめいがつかない」と指摘してきします。

投機とうきすじはいまどこなにをしているのか。そのうごさぐり、検証けんしょうする取材しゅざいつづけたいとおもいます。

注目ちゅうもく予定よてい

8にちには日本にっぽん海外かいがいとの製品せいひんサービス資産しさん取引とりひき状況じょうきょうしめ国際こくさい収支しゅうし」が発表はっぴょうされます。6つきぶん経常けいじょう収支しゅうしやことしの上半期かみはんきぶん発表はっぴょうされますが、燃料ねんりょう価格かかく高騰こうとう貿易ぼうえき収支しゅうし赤字あかじつづなか経常けいじょう収支しゅうし結果けっか注目ちゅうもくです。

10にち、アメリカの消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすう発表はっぴょうされます。前回ぜんかい・6つきぶんは、まえとしおなつきくらべて9.1%の上昇じょうしょうと、およそ40ねんはんぶりのたか水準すいじゅんとなりました。大幅おおはば利上りあが、消費しょうひどのような影響えいきょうおよぼしているのか、今後こんごのFRBの利上りあげペースに影響えいきょうおよぼす指数しすうの1つでもあり、注目ちゅうもくあつまっています。
ソース:NHK ニュース