ウクライナ ザポリージャ原発げんぱつに砲撃ほうげき IAEA「全まったく容認ようにんできない」

ロシアが侵攻しんこうするウクライナでヨーロッパ最大さいだい規模きぼの原子力げんしりょく発電はつでん所しょへの砲撃ほうげきが行おこなわれ、IAEA＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんは原子げんし炉ろの損傷そんしょうはないとする一方いっぽう、「原発げんぱつの安全あんぜんを危険きけんにさらし、全まったく容認ようにんできない」と強つよい懸念けねんを示しめしました。

ウクライナでは5日にち、ロシア軍ぐんが占拠せんきょする南東なんとう部ぶのザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょへの砲撃ほうげきが行おこなわれ、ゼレンスキー大統領だいとうりょうが「あからさまな犯罪はんざいでテロ行為こういだ」とロシア側がわを強つよく非難ひなんする一方いっぽう、ロシア国防省こくぼうしょうは「ウクライナ側がわの砲撃ほうげきだ」と主張しゅちょうしています。

IAEAは6日にち、この砲撃ほうげきで発電はつでん所しょの外部がいぶの電力でんりょく供給きょうきゅうシステムが損傷そんしょうを受うけたことや、稼働かどうしている3つの原子げんし炉ろのうち1基きで緊急きんきゅう保護ほごシステムが作動さどうし、送電そうでん系統けいとうから切り離きりはなされたとウクライナ側がわから連絡れんらくを受うけたとしています。一方いっぽう、原子げんし炉ろの損傷そんしょうや放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの漏ろうえいはなく、負傷ふしょう者しゃもいないとの報告ほうこくを受うけているとしています。

グロッシ事務じむ局長きょくちょうは声明せいめいで「ザポリージャ原発げんぱつの安全あんぜんを危険きけんにさらす軍事ぐんじ行動こうどうは、全まったく容認ようにんできず、避さけるべきだ」と強つよい懸念けねんを示しめしました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争せんそう研究所けんきゅうじょ」は「ロシア軍ぐんは、ウクライナに軍事ぐんじ支援しえんを行おこなう欧米おうべいの意欲いよくを低下ていかさせるため核かくの災害さいがいに対にたいする恐怖きょうふに乗じょうじて原発げんぱつを利用りようしているとみられる。ウクライナ側がわの攻撃こうげきを防ふせぐために『核かくの盾たて』としても原発げんぱつを有効ゆうこうに利用りようしている」とする見方みかたを示しめしています。

ウクライナでは東部とうぶの戦況せんきょうがこう着こうちゃくし、ウクライナ軍ぐんが反撃はんげきを続つづける南部なんぶでは、ロシア軍ぐんが対応たいおうに追おわれているとみられています。

イギリス国防省こくぼうしょうは7日にちの分析ぶんせきで、「ロシア軍ぐんの戦果せんかが乏とぼしいことでその代償だいしょうとして、軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご、司令しれい官かん、少すくなくとも6人にんが解任かいにんされた可能かのう性せいが高たかい。また、少すくなくとも10人にんのロシア軍ぐん将校しょうこうも殺害さつがいされ、こうした影響えいきょうがロシアの作戦さくせんを困難こんなんにしている可能かのう性せいがある」と指摘してきしています。

ソース：NHK ニュース