全銀ネット システムが復旧 正常に稼働確認 運営団体が発表
2023-10-12 03:13:52

全国銀行協会の関連団体の全銀ネット=「全国銀行資金決済ネットワーク」は、10日から不具合が続いていた金融機関どうしの資金をやり取りするシステムについて、12日午前8時半から正常に稼働していることを確認し、復旧したと発表しました。
今回のシステムの不具合では10の金融機関で振り込みが遅れるなどの影響が出ましたが、三菱UFJ銀行やりそな銀行、商工中金など各金融機関は12日午前、通常通りの利用ができるようになったと発表しました。
全銀ネットによりますと10日の朝にシステムの不具合が発生してから11日までに処理が遅れた取り引きはあわせて500万件を超えたということで給与の振り込みや中小企業の送金が遅れるなど影響が広がりました。
また、振り込みを受け付けたものの決済できていなかった件数が11日夕方の時点で87万件にのぼっていましたが、全銀ネットは順次、処理を進めるとしています。
全銀ネットは、今月9日までの連休中にシステムと各金融機関をつなぐ中継コンピューターを更新する作業を行いましたが今回の不具合は中継コンピューターの部分で発生したということで、引き続き詳しい原因を調べることにしています。
利用者からは改善求める声
都内にある銀行の利用者からは再びトラブルが起きないよう求める声が聞かれました。
このうち、自動車の整備などを行う会社で経理を担当する50代の男性は「トラブルの影響で、取引先からの入金やこちらが支払った代金の着金が遅れました。お金のやり取りは信頼に関わることですし、システムも使えて当たり前の時代になっているので、しっかり修正してほしいです」と話していました。
また、飲食店を経営する50代の男性は「昨夜、アルバイトの従業員から給料が振り込まれていないと連絡がありました。復旧したと聞いているので、相手に届いていればいいのですが、現金で直接渡すことも考えています。複雑なシステムだとは思いますが、トラブルが起きたときにははやく解決してほしいです」と話していました。
さらに会社で経理を担当する60代の女性は「自分の会社は影響を受けずに済みましたが、トラブルが長引いたので、困る人が増えなければいいなと思います」と話していました。