「身元みもと保証ほしょう人じん」がいないと 医療いりょう機関きかんの８はち％余あまりが入院にゅういん認みとめず

患者かんじゃが入院にゅういんする際さい、「身元みもと保証ほしょう人じん」などを求もとめる医療いりょう機関きかんが全体ぜんたいの３さん分ぶんの２にを占しめ、このうち８はち％余あまりが、保証ほしょう人じんがいない場合ばあい、入院にゅういんを認みとめないとしていることが厚生こうせい労働ろうどう省しょうの研究けんきゅう班はんの調査ちょうさでわかりました。厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「身元みもと保証ほしょう人じん」がいないことを理由りゆうに入院にゅういんを拒否きょひするのは医師いし法ほうに違反いはんするとして、こうした対応たいおうを取とらないよう通知つうちしました。

山梨やまなし大学だいがく大学院だいがくいんの山縣やまがた然しか太朗たろう教授きょうじゅが代表だいひょうを務つとめる厚生こうせい労働ろうどう省しょうの研究けんきゅう班はんは去年きょねんからことしにかけて、医療いりょう機関きかんが入院にゅういん患者かんじゃを受け入うけいれる際さいの対応たいおうなどについて調査ちょうさし、全国ぜんこくのおよそ1400か所かしょから回答かいとうを得えました。

その結果けっか、入院にゅういんの際さい、「身元みもと保証ほしょう人じん」などを求もとめると答こたえた医療いりょう機関きかんは65％を占しめ、ベッド数すうが20床しょう以上いじょうの病院びょういんでは93％に上のぼりました。

さらに、保証ほしょう人じんを求もとめる医療いりょう機関きかんのうち８はち％余あまりが、保証ほしょう人じんがいない場合ばあい、入院にゅういんを認みとめないと回答かいとうしました。

保証ほしょう人じんに求もとめる役割やくわりを複数ふくすう回答かいとうで尋たずねると、「入院にゅういん費ひの支払しはらい」が最もっとも多おおく、次ついで「緊急きんきゅうの連絡れんらく先さき」、このほか「医療いりょう行為こういの同意どうい」や「遺体いたい・遺品いひんの引き取ひきとり」などを挙あげる医療いりょう機関きかんが半数はんすう以上いじょうを占しめました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは身元みもと保証ほしょう人じんがいないことだけを理由りゆうに入院にゅういんを拒否きょひするのは、正当せいとうな理由りゆうなく診療しんりょうを拒こばんではならないと定さだめる医師いし法ほうに違反いはんするとして、こうした対応たいおうを取とらないよう全国ぜんこくの都道とどう府県ふけんなどに通知つうちしました。

山縣やまがた教授きょうじゅは「入院にゅういんを拒こばまれて病気びょうきが悪化あっかするようなことは絶対ぜったいにあってはならない。一方いっぽうで医療いりょう機関きかんがためらうことなく患者かんじゃを受け入うけいれられるようにする制度せいども求もとめられる。少子しょうし化かや家族かぞく関係かんけいの希薄きはく化かで頼たよれる人ひとがいない高齢こうれい者しゃなどが増ふえる中なか、早急そうきゅうに解決かいけつ策さくを見みいだす必要ひつようがある」と指摘してきしています。

介護かいご施設しせつは３さん割わり“入所にゅうしょ拒否きょひ”

「身元みもと保証ほしょう人じん」などを求もとめる傾向けいこうは医療いりょう機関きかんだけでなく、介護かいご施設しせつでも見みられます。

民間みんかんの研究けんきゅう機関きかん「みずほ情報じょうほう総研そうけん」は、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの補助ほじょ金きんを受うけ、去年きょねんからことしにかけて全国ぜんこくの特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームや介護かいご老人ろうじん保健ほけん施設しせつなどを調査ちょうさし、2300か所かしょ余あまりから回答かいとうを得えました。

その結果けっか、入所にゅうしょの契約けいやくを交かわす際さい、「身元みもと保証ほしょう人じん」など本人ほんにん以外いがいの署名しょめいを求もとめていると答こたえた施設しせつは96％に上のぼり、このうちの31％は署名しょめいがなければ受け入うけいれていないとしています。

保証ほしょう人じんに求もとめる役割やくわりとしては「事故じこが起おきた時ときなどの連絡れんらく先さき」が最もっとも多おおく、「亡なくなったあとの遺体いたいや遺品いひんの引き取ひきとり」、「入院にゅういんの際さいの手続てつづき」、それに「施設しせつ利用りよう料りょうの支払しはらい・滞納たいのう時じの保証ほしょう」などが続つづいています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうはこうした介護かいご施設しせつについても「身元みもと保証ほしょう人じんがいないことはサービスの提供ていきょうを拒否きょひする正当せいとうな理由りゆうにはならない」として、受け入うけいれを拒こばむことがないよう求もとめています。

ソース：NHK ニュース