洞窟どうくつからの救出きゅうしゅつ活動かつどう指揮しき官かん「一時いちじは望のぞみ薄うすく感かんじた」

タイ北部ほくぶの洞窟どうくつで救出きゅうしゅつ活動かつどうの実行じっこう部隊ぶたいを指揮しきしたタイ海軍かいぐん特殊とくしゅ部隊ぶたいのトップが、ＮＨＫえぬえいちけいのインタビューに応おうじ、活動かつどう当初とうしょの状況じょうきょうについて、一時いちじは望のぞみはとても薄うすいと感かんじていたものの、海外かいがいのダイバーとの信頼しんらい関係かんけいを築きづけたことが救出きゅうしゅつの成功せいこうにつながったと述のべました。

タイ北部ほくぶチェンライ県けんの洞窟どうくつで先月せんげつ23日にち、地元じもとサッカーチームの少年しょうねん12人にんとコーチの合あわせて13人にんが大雨おおあめによる増水ぞうすいで外そとへ出でられなくなり、18日にち目めの10日にち、タイ海軍かいぐんや海外かいがいのダイバーが全員ぜんいんを救出きゅうしゅつしました。

今回こんかいの救出きゅうしゅつ活動かつどうにはタイ海軍かいぐんから84人にん、イギリスやオートラリアなど海外かいがいから50人にんのダイバーが参加さんかしました。

こうしたダイバーたちから成なる救出きゅうしゅつの実行じっこう部隊ぶたいを指揮しきしたタイ海軍かいぐん特殊とくしゅ部隊ぶたいのトップ、アーパーコン司令しれい官かんが11日にち、ＮＨＫえぬえいちけいのインタビューに応おうじました。

この中なかでアーパーコン司令しれい官かんは、洞窟どうくつ内ないの大量たいりょうの水みずについて「われわれは水みずに追おわれていた」と表現ひょうげんし、救出きゅうしゅつ活動かつどうを妨さまたげる水みずとの闘たたかいが困難こんなんを極きわめたことを明あきらかにしました。

そして、活動かつどう当初とうしょの状況じょうきょうについて「表向おもてむきにはあきらめないと言いっていたが、水位すいいが下さがらなかった７なな日にち目め、８はち日にち目めあたりは、望のぞみはとても薄うすいと感かんじていた」と当時とうじの心境しんきょうを率直そっちょくに語かたりました。

その後そのごは雨期うきにもかかわらず、雨あめの少すくない日ひが続つづいたことや、洞窟どうくつに流れ込ながれこむ沢さわの向むきを変かえる対策たいさくが効果こうかを発揮はっきしたことから、洞窟どうくつ内ないの水位すいいは下さがり、救出きゅうしゅつ活動かつどうが実行じっこうされました。

それでも少年しょうねんたちが待機たいきしていた場所ばしょから洞窟どうくつの出口でぐちまで、およそ５ごキロの道みちのりのうち、およそ60％で潜水せんすいによる移動いどうが必要ひつようだったということです。

アーパーコン司令しれい官かんはリスクを抱かかえながらも救出きゅうしゅつの実行じっこうを決断けつだんした理由りゆうについて、洞窟どうくつ内ないの酸素さんそ濃度のうどが下さがり危険きけんな状況じょうきょうになっていたことなどを挙あげ、「遅おくれると、さらにチャンスはなくなっていた」と述のべました。

また、タイ海軍かいぐんには洞窟どうくつで長時間ちょうじかん潜水せんすいするという経験けいけんはなく、装備そうびも十分じゅうぶんでなかったことを認みとめ、洞窟どうくつでの潜水せんすい経験けいけんが豊富ほうふな海外かいがいからのダイバーが救出きゅうしゅつに大おおきな役割やくわりを果はたしたことを明あきらかにしました。そのうえで、「最もっとも重要じゅうようなのは信頼しんらいで、タイの海軍かいぐんと海外かいがいのダイバーが強つよい信頼しんらい関係かんけいを築きづけたことが成功せいこうにつながった」と述のべました。

救出きゅうしゅつの13人にん「精神せいしん状態じょうたいはとてもよい」

洞窟どうくつから助け出たすけだされた13人にんが入院にゅういんしている病院びょういんで、11日にち、タイ保健ほけん省しょうの担当たんとう者しゃが会見かいけんし、最後さいごに救出きゅうしゅつされた５ご人にんについて、「みな、低てい体温たいおんにはなっていないが、１いち人にんは肺はいに異常いじょうが見みられる」と述のべ、９きゅう日にちまでに救出きゅうしゅつされたほかの８はち人にんと同おなじように、抗生こうせい物質ぶっしつなどを投与とうよし、感染かんせん症しょうの検査けんさを行おこなっていることを明あきらかにしました。

９きゅう日にちまでに救出きゅうしゅつされた少年しょうねん８はち人にんの体調たいちょうは回復かいふくしつつあり、会話かいわをしたり、食事しょくじをしたりすることができる状態じょうたいで、感染かんせん症しょうのおそれが低ひくい少年しょうねんから順番じゅんばんに、２にメートルほどの距離きょりを保たもちながら家族かぞくと直接ちょくせつ面会めんかいできているということです。

そして、13人にんとも精神せいしん状態じょうたいは「とてもよい」としたうえで、「洞窟どうくつの中なかで少年しょうねんたちが、お互おたがいを思おもいやれるよう、コーチがしっかりと面倒めんどうを見みたおかげだ」と話はなしました。

退院たいいんできるようになるまでは、少すくなくとも１いち週間しゅうかんかかるということで、保健ほけん省しょうの幹部かんぶは「13人にんが安全あんぜんに、健康けんこうに家族かぞくの元もとに帰かえれるよう最善さいぜんの手当てあてをしたい」と述のべました。

タイ首相しゅしょう「すべての人ひとに感謝かんしゃ」

タイ北部ほくぶの洞窟どうくつから少年しょうねんら13人にんが10日にち、無事ぶじ救出きゅうしゅつされたことについて、タイのプラユット暫定ざんてい首相しゅしょうは11日にち、テレビで演説えんぜつし、国内外こくないがいからの多大ただいな支援しえんと協力きょうりょくが救出きゅうしゅつ活動かつどうを成功せいこうに導みちびいたと述のべました。

そのうえで、「ボランティアや政府せいふ関係かんけい者しゃ、民間みんかん企業きぎょう、報道ほうどう機関きかんなど、決意けついを持もって献身けんしん的てきにこの活動かつどうに関かかわったすべての人ひとたちに心こころから感謝かんしゃする」と述のべました。

また、元もとタイ海軍かいぐんの特殊とくしゅ部隊ぶたい員いんで、救出きゅうしゅつ活動かつどうに参加さんか中ちゅう亡なくなったダイバーのサマーン・クナンさんにも触ふれ、「彼かれの名誉めいよと自己じこ犠牲ぎせいを私わたしたちは永遠えいえんに忘わすれてはならない」と強調きょうちょうしました。

ソース：NHK ニュース