千曲川ちくまがわ氾濫はんらん 南北なんぼくに１いちキロ余よ 支流しりゅうの氾濫はんらんも被害ひがい拡大かくだい 専門せんもん家か調査ちょうさ

長野ながの県けんの千曲川ちくまがわの氾濫はんらんは決壊けっかいした場所ばしょを中心ちゅうしんに南北なんぼく１いちキロ余あまりにわたって発生はっせいしていたことが専門せんもん家かの調査ちょうさで分わかりました。専門せんもん家かは「当時とうじの水量すいりょうのすさまじさを示しめしていて、決壊けっかい範囲はんいがさらに広ひろがり、被害ひがいが大おおきくなる可能かのう性せいもあった」としています。

台風たいふう19号ごうによる豪雨ごううで千曲川ちくまがわでは、長野ながの市し穂保ほやす地区ちくの堤防ていぼうがおよそ70メートルにわたって決壊けっかいしていたことがわかっています。

この現場げんばを河川かせん氾濫はんらんのメカニズムに詳くわしい東京とうきょう理科りか大学だいがくの二瓶にへい泰雄やすお教授きょうじゅが調査ちょうさしたところ、決壊けっかいした場所ばしょ以外いがいにも、付近ふきんの堤防ていぼうの住宅じゅうたく地ち側がわで水みずでえぐり取とられた跡あとや、草くさが流ながされている跡あとが見みつかりました。

二に瓶びん教授きょうじゅによりますと、これは水みずが堤防ていぼうを越こえる「越水こしみず」による氾濫はんらんが発生はっせいしていたことを示しめすもので、痕跡こんせきは決壊けっかいした場所ばしょを中心ちゅうしんに南北なんぼくおよそ1.1キロにわたって確認かくにんされたということです。

二に瓶びん教授きょうじゅは、「これだけ広ひろい範囲はんいで越水こしみずが発生はっせいした現場げんばは見みたことがない。水量すいりょうのすさまじさを示しめしていてさらに決壊けっかい範囲はんいが広ひろがり、被害ひがいが大おおきくなる可能かのう性せいもあった」と話はなしていました。

支流しりゅうも氾濫はんらんで被害ひがい拡大かくだいか

さらに二に瓶びん教授きょうじゅは、千曲川ちくまがわの支流しりゅうの氾濫はんらんが被害ひがいの拡大かくだいに影響えいきょうした可能かのう性せいを指摘してきしています。

千曲川ちくまがわの西側にしがわにある豊野とよの町まちを調査ちょうさしたところ、千曲川ちくまがわの支流しりゅうの浅川あさがわやそこに流れ込ながれこむ隈取くまどり川がわのほか、農業のうぎょう用ようの水路すいろなど少すくなくとも４よっつの川かわや水路すいろでも氾濫はんらんの痕跡こんせきが見みつかりました。

国土こくど交通こうつう省しょうによりますと、千曲川ちくまがわの氾濫はんらんで浸水しんすいした面積めんせきは950ヘクタールに達たっしていますが、二に瓶びん教授きょうじゅは千曲川ちくまがわだけでなく、多おおくの支流しりゅうや水路すいろの氾濫はんらんが同時どうじ多発たはつ的てきに起おきたことが被害ひがいを拡大かくだいさせたとみています。

国くにや自治体じちたいが管理かんりする河川かせんでは、水位すいいの上昇じょうしょうや氾濫はんらんの発生はっせいに警戒けいかいを呼よびかける情報じょうほうが出でることになっていますが、さらに小ちいさな支流しりゅうや水路すいろなどでは氾濫はんらんしても情報じょうほうが出でないことが多おおいのが実情じつじょうです。

二に瓶びん教授きょうじゅは、「支流しりゅうや小ちいさな水路すいろの氾濫はんらんが大おおきな川かわの氾濫はんらんを早はやめたり、被害ひがいを大おおきくする現象げんしょうは、都市とし部ぶでも発生はっせいしうる。河川かせんの整備せいびには時間じかんがかかるのが現状げんじょうで、まずは小ちいさな川かわや水路すいろでも氾濫はんらんが発生はっせいし、危険きけんな状況じょうきょうになり得えることを多おおくの人ひとに知しってもらい、避難ひなんに役立やくだててもらいたい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース