※一※
❶物が存在する。

(何が存在するかが問題の場合)存在する。

山にはまだ雪が~・る


この川の真ん中に国境が~・る

「何かいい方法が~・るといいのだが」

(その物が存在すること自体は自明で, 場所が問題である場合)位置する。

本社は大阪に~・る


その町は札幌の北三〇キロの所に~・る

「事故の責任は私に~・る」
❷人が存在する。

(誰が存在するかが問題の場合)いる。

人が死なずに生存する。

先生の~・りし日をしのぶ


(その人が存在すること自体は自明のことで, 場所が問題である場合)人がある場所に滞在する。 そこに暮らす。

人がある特別の地位や環境にいる。
❸所有している。 持っている。

人が財産などを所有している。

ある人が, 家族・親戚・友人などをもっている。

物や人などが, ある要素や, 付属的・付随的な物を持っている。

人や物がある属性をもっている。

人などがある能力・実績・経験を持っている。

彼は力が~・る


相当の学力が~・る

「政界に影響力が~・る」

人が, ある考え・記憶・感覚を持っている。

人が, 何か解決・処理すべき事柄をもっている。
❹(数量を表す語を副詞的に受けて)その物の数・量・重さ・長さ・時間などが…だということを表す。

頭が二つ~・る蛇


重さが一〇トンも~・る岩

「運動会まであと一週間~・る」
❺動作・現象が実現する。

何か事が起こる。

踏切で事故が~・った


二人の間に何か~・ったんですか

「二度~・ることは三度~・る」

行事・催し・会合などが行われる。

これから会議が~・る

❻

(

…とある

の形で)他人の文章を引用して示す。 …と書かれている。

(

…とあって

の形で)状況・場合が…であるので。 …なので。

(

…することがある


…したことがある

などの形で)時には…する, 過去に…した経験をもつ, などの意を表す。

(

…にあっては

の形で)人間集団・社会を表す名詞を受け, そこにおいては, の意を表す。

わが党に~・っては常に国民の要望にこたえる政策を作っていきたい

※二※(補助動詞)
❶名詞に断定の助動詞

だ

の連用形

で

を添えたものに付いて, 指定の意を表す。

ある物事と他の物事とが等しい関係にあることを表す。

ある物事が何らかの類に属することを表す。

ある状態, ある事態にあることを表す。

古語では, 断定の助動詞

なり


たり

の連用形「に」「と」を添えたものに付く。
❷種々の語に付いて, そういう状態である, そういう性質をもっている意を表す。

ある

の前に助詞の入ることもある。

形容詞・形容動詞の連用形に付く場合。

うれしくも~・り, 悲しくも~・る


狭くは~・っても楽しいわが家

「ここは静かで~・る」「みんな親切で~・った」

世の中は恋繁しゑやかくし~・らば梅の花にもならましものを/万葉 819


打ち消しの助動詞

ず

, 推量の助動詞

べし

の連用形に付く場合。
❸動詞の連用形に助詞

て(で)

を添えた形に付いて, 動作・作用の完了・継続・残存の意を表す。 主として他動詞を受ける。

ある動作・作用の結果が続いていることを表す。

準備がきちんとなされていることを表す。

あすの事はちゃんと予習して~・る


表に車を待たせて~・る

「きれいに継いで~・る」
❹動詞の連用形に助詞

つつ

を添えた形に付いて, 動作・作用の進行を表す。
〔翻訳文の影響で,

書物を読みつつ~・る

のように継続する動作についても用いることがある〕
❺動作性の漢語名詞または動詞の連用形に付いて, その動作をする人に対する尊敬の意を表す。

接頭語

御

によって敬意を添えることが多い(現代語ではややふざけた場合にしか言わない)。

どうぞ御笑覧~・れ


正月五日, 主上御元服~・つて/平家 1

「少し御まどろみ~・りける御夢に/太平記 3」
〔

中世後期の口語ではラ行四段が一般的となる。

現代語では,

ある

の打ち消しの言い方として,

あらない

は用いられず, 「ない」の語が用いられる。 ただし, 近世には, ごくまれに, 「せく事はあらない/浄瑠璃・宵庚申(上)」などの例がみられる〕
︱慣用︱ 上には上が~・気が~・名が~・花も実も~・一癖~・脈が~/心ここに有らず
有る限り
あるだけみんな。 残らず。 あるったけ。

~の食糧をくいつくす

有るか無きか

あると言えば言えるが, ほとんどないと言ってよいほどはかないさま。 たよりないさま。 弱々しいさま。

かげろふの~にけぬる世なれば/後撰(雑二)


存在するかしないか。

思ふべきわが後の世は~なければ/新古今(雑下)

有るか無し
あるかないかわからないほど少量であること。 わずか。

~(か)の分量

在るが儘(ママ)
実際にある, その状態のまま。 ありのまま。
有る事無い事
本当のこととうそのこと。

~を言いふらす

有るにも有らず
確かに生きているともいえないような状態。 正気でない状態にもいう。

さりともと思ふらんこそ悲しけれ~ぬ身を知らずして/伊勢 65
