Japanese search results for the word 徒
徒
あだ
(1)実を結ばないさま。 かいのないさま。 むだ。
「せっかくの好意を~にしてはいけない」「親切のつもりが~となる」
(2)誠実さに欠け, うわついているさま。
「是(コレ)素(モト)より~なる恋にはあらで/金色夜叉(紅葉)」
(3)はかなくもろいさま。
「花よりも人こそ~になりにけれ/古今(哀傷)」
(4)扱いがおろそかなさま。 粗略。
「たしかに御枕上に参らすべき祝ひの物にて侍る。 あなかしこ, ~にな/源氏(葵)」
(5)役に立たないさま。 つまらないさま。
「荒れたる軒に生ひたる~なる草なれども/十訓 8」
(6)俳論用語。 蕉風俳諧で, 無邪気でユーモラスな詩趣のこと。
「伊賀の作者, ~なる処を作して尤なつかし/去来抄」
~や疎(オロソ)か
(多く下に打ち消しの語を伴って)他人の恩恵や物の価値を軽視するさま。 いいかげん。 あだおろそか。
「~にはできない」
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徒
いたずら
※一※ (形動ナリ)
(1)無益であるさま。 役に立たないさま。 無駄で価値のないさま。 現代では「いたずらに」の形で副詞的に用いる。
「~なる所は, 耳のはた鼻のみねなりけり/宇津保(俊蔭)」
(2)することもなく, 手もちぶさたなさま。 ひまなさま。
「舟もいださで~なれば/土左」
(3)役に立っていないさま。
「南の町には~なる対などもなし/源氏(玉鬘)」
→ いたずら(悪戯)
※二※ (名)
江戸時代後期, 女性が前髪を二つに分けて髻(モトドリ)の左右から背に垂らす髪形。 振り分け。
~にな・す
(1)役に立たないようにする。 むだにしてしまう。
「この心を, ~・しつるは, 仏はあはれと思しなん/狭衣 3」
(2)死なせる。
「夏虫の身を~・す事も/古今(恋一)」
~にな・る
(1)期待したとおりにならずに終わる。 無駄になる。
「思ひてし思ひは今は~・りぬべらなり/古今(雑下)」
(2)「死ぬ」の婉曲(エンキヨク)な言い方。
「空しく成りなば, 親も~・り給ひなん/宇津保(俊蔭)」
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徒
むだ
(1)しただけの効果や効用のないこと。 役に立たないこと。 また, そのさま。 無益。
「~をする」「~を省く」「努力が~になる」「~な骨折り」
(2)むだぐち。
「昇の~を聞ては可笑(オカ)しがつて/浮雲(四迷)」
﹛派生﹜~さ(名)
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徒
ず
律の五刑の一。 懲役刑。 一年から三年まで半年ごと五段階に分かれる。 杖(ジヨウ)より重く, 流(ル)より軽い。 徒刑。 徒罪。
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徒
と
仲間。 同類の人たち。 やから。
「無頼の~」「忘恩の~」「学問の~」
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徒
かち
(1)乗り物を使わず歩くこと。 とほ。
「母御の~にて歩(アユ)ませ給ふが御痛敷候/太平記 11」
(2)陸路を行くこと。
(3)武士の身分の一。 江戸時代, 幕府・諸藩とも御目見得以下, 騎馬を許されぬ軽輩の武士。 おかち。
(4)「徒侍(カチザムライ)」の略。
(5)「徒士組(カチグミ)」の略。
〔(3)~(5)は「徒士」とも書く〕
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徒
ただ
〔「ただ(直)」と同源〕
※一※ (名)
(1)代金が不要なこと。 無料。 無償。 ロハ。 《只》「機械を~で使わせる」「この酒は~だ」
(2)特別に変わった点がないこと。 普通。
「~の人」「~のかすり傷」「~でさえ混雑するのに, 休日だから身動きもできない」
(3)何事もないこと。 無事。
「~で済むとは思われない」
※二※ (形動ナリ)
(1)取り立てるほどのことのないさま。 普通。
「まだいと若うて, 后の~におはしける時とや/伊勢 6」
(2)何もしないさま。 むなしいさま。
「~にて帰り参りて侍らむは, 証候ふまじきにより/大鏡(道長)」
※三※ (副)
(1)ありきたりに。 普通。
「~有る蛇(クチナワ)なめりと人思ふ程に/今昔 13」
(2)何もせず。
「御忌日なれば, 猶~臥し給へれ/落窪2」
→ ただならぬ
~でさえ
⇒ ただ(唯)でさえ(独立項目)
~では=置かないぞ(=済まないぞ)
何か仕返しをするから覚悟しておけ, という意で捨てぜりふに言う語。
~の鼠(ネズミ)で(は)ない
尋常の人物ではない。 一癖ある者だ。 油断のならないやつだ。
~より高い物はない
ただで物をもらうと, その代わりにものを頼まれたり返礼に金がかかったりして, かえって高くつく。
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